HOBONICHI HOBONICHI

HOBO SUPER OMISE SHOP

もの好きさんいらっしゃい

好きなものを集めたら、
ちょっぴり奇妙な「雑貨」が集まる店ができました。
店の名は『HOBO SUPER OMISE SHOP』。
自分の人生に必要かと言われたら、
そんなことはない。
でも、所持したい。
コレクターになるというよりも、これは所持欲。
自分が買わないで誰が買う。
自分が買わなかったら誰かに買われてしまう。
買わねば。
そして家やお気に入りの場所に飾ることを、
たのしみたい。
バイヤー経験もある目利き店主、
塚本太朗さんが集めた品々を
ひとつずつ見せていただく連載です。
週に2回、火曜と金曜にお届けします。
1月の「生活のたのしみ展」にも出展するので、
どうぞおたのしみに。

塚本太朗さんプロフィール
#07

ザリガニワークスのコレジャナイロボ ザリガニワークスのコレジャナイロボ

今回は、コレジャナイ。
これがコレジャナイです。

あー、これじゃないね。

これじゃないよ。

これじゃないわ。

これじゃないです。

設定の紙が付いていますね。
読み上げます。

「『欲しかったのはこれじゃなーい!!
プレゼントを開けた子供から発せられる悲痛の叫び。
楽しいはずのクリスマスが突如、修羅場に。
こんな経験ありますか? できれば避けたいものです。
しかし人生、
欲しい物が何のリスクもなしに手に入るなんて話は
そうはありません。
欲しい物を手に入れる為には
努力も必要だという事を
何らかの機会に知っておくのも良いでしょう。」

‥‥と書いてあります。
つくっているのは、
おもちゃの企画開発を中心に、キャラクターデザイン、
作詞作曲などなど、さまざまなコンテンツを展開している
「ザリガニワークス」さんですね。

ご覧のとおり、
たくさんのキャラクターがいますよ。

とにかく、求めるものは
「これじゃない」感だったんですね(笑)。
「こういうおもちゃがあったらおもしろいよね」
というところが出発点で。

そうそう。ふふふ。

塚本さんが、すごくたのしそうです。

コレジャナイロボシリーズが
全種類そろっているお店は、少ないんですよ。
だいたい、この赤いロボと、
代表的な敵ロボしかいなくて。
なので、
きょうは一堂に会しているようすを見られて、
テンションが上がってます。

最初に、胴体が赤くて
腕や足の青いコレジャナイロボができて、
それから敵などの種類が
増えていったのでしょうか。

そうだと思います。

実物を見ると、ますます謎が深まりますね。
ローラーが付いてるんだ、とか、
このマークはなんなんだろうとか‥‥。

見れば見るほど不思議ですね。

‥‥あっ、ロボの裏にあるこれは、
もしかしてグッドデザイン賞のシールですか?

そう。
コレジャナイロボは
グッドデザイン賞を受賞しているんですよ。

えーっ、すごい。
並べて飾りたくなってきました。
あえて、家よりも職場に置きたいですね。

わかります。
うーん、どのロボも好きだな。
全部ほしいなぁ。

コレジャナイロボをつくっている
ザリガニワークスさんとは、
いつごろ出会ったのですか?

もともとは、20年くらい前に、
飲み会で初めて会った気がします。
そのあと、
僕の店の商品を扱ってくれたバイヤーさんが、
コレジャナイロボもたまたま扱っていたという
ご縁をきっかけに再会しました。
再会する前も、僕からは
「なんか、おもしろいことしてるな」と、
ずっと見ていました。

たしかに、ザリガニワークスさんは、
ずっと不思議な活動をなさっていますね。

本業なのか、遊びなのか、
区別がつかないです(笑)。
いまや、コレジャナイロボも
本格的にグッズ展開をしていますし。

たくさん生産なさっているのに、一体一体、
すごく丁寧につくられているのがわかります。

全部、手づくりなんです。

ネジの付き方とか、
ちょっと心配なところもあるような‥‥?

それでいいんです。
わざと、ちょっと腕の高さが違ったり、
頭が微妙に中心に付いていないとか、
不器用な感じを表現して、
ていねいに作ってらっしゃるんですよ。

へえー! 
よく見たら、
パーツもどこかで見たことのあるものが多いです。
このパーツなんて、もしかしたら
お家にあったものかも。

ほとんど、誰もがホームセンターで
手に入れられるものでつくっているそうですよ。

へぇーっ、おもしろいですね。
悪役のマントがピンと上がっているのも、
うっかりそうなっちゃったみたいで、
なごみます。

それも含めて全て『あえて』に見えて来るのが面白いですよね。
芸が細かくて、ずっと見ていられます。

顔にも個体差があって、味わい深いです。

『コレジャナイ感』を出すために
徹底して手描きなんです。
だから
「一度にたくさんはオーダーしないでください」
と言っていました(笑)。

(まだまだ眺めていたいところですが、8つめのアイテム紹介につづきます)

instagram
ザリガニワークス
武笠太郎、坂本嘉種によるマルチクリエイティブ会社。
「コレジャナイロボ」や「自爆ボタン」
「土下座ストラップ」など、
玩具の企画開発、デザインを軸にしながら、
キャラクターデザイン、作詞作曲、ストーリー執筆等、
ジャンルにとらわれないコンテンツ制作を広く展開。
大人の本気のふざけた姿が、
老若男女の心をつかむ。
instagram