バブー&とのまりこの パリこれ! 住んでみてわかった、パリのあれこれ。
2003年、フランスに単身で渡り、 現在はパリを拠点にヘアメイク&フォトエッセイストとして 活躍しているとのまりこさんが、 愛犬のバブーくん(アイルランド出身)を相棒に、 パリ暮らしのちょっとびっくりな出来事や、 へぇ〜っと感心する習慣などなど(*)をお届けします。 *もちろんすべてのフランス人やフランス全土に共通しないこともあります。 週に1回、でも気まぐれにもっと更新するかも? すてきな写真とともに、おたのしみください。 Amusez-vous bien!

 
とのまりこさんと バブーくんのプロフィール
 




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お砂糖たっぷりの
飲み物には『ソーダ税』?!

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お砂糖たっぷりの
飲み物には『ソーダ税』?!

バブー

みなさん、ボンジュ~ル。
今日は、レストランを経営してる
友人と話していて経営者たちの苦労を知った、
フランスの『ソーダ税』のお話だよ。

フランスのカフェやレストランで
食事をしたことがある方──
「コーラやファンタ、ソフトドリンク
1杯でこんなにお高いの?!」
と思ったことはありませんか?
まあ今は円安も手伝って、
ユーロから円に換算すると
何もかもがとてつもなく高い
お値段になるんだけどさ。

実はこれ、
単なる「お店の強気な値段設定」とか
「円とユーロの関係」だけではないんだよ。

 

フランスのカフェではコーラやオランジーナなどの
ソフトドリンクよりも生ビールの方が安いことがほとんど♪
その原因のひとつは『ソーダ税』と呼ばれる税金のせい?!

 

とのまりこ
友人のレストランオーナーが
教えてくれたのは、
「taxe soda(タックス·ソーダ)」
という税金への苦悩のこと。
日本語にすると「ソーダ税」。

フランスでは2012年から、
コーラやファンタなどの加糖飲料に
特別な税金が上乗せされています。

しかも2025年3月に
この税率が大幅に引き上げられて、
飲料業界が払う税金の総額が前の年と比べて、
なんと80%増になったんです。

飲料メーカーに課税される
→ その分が卸売業者の仕入れ値に上乗せ
→ その分がレストランの仕入れ値に上乗せ
→ その分がメニューの値段に上乗せ

これをフランスでは
「effet papillon」(エフェ・パピヨン)
つまり「バタフライ効果」
と呼びますが、
最終的にお客さんが払う値段に
じわじわと影響しているんです。

 

味気ない缶で登場したりするのに、私のビールよりも
息子のソフトドリンクの方がお高いという謎(笑)

 

バブー
税率の仕組みはこんな感じ。

砂糖が少ない飲み物は、
100リットルあたり4ユーロ
(日本円で約742円)。

でもコーラのような
砂糖がたっぷり入った飲み物は、
100リットルあたり35ユーロ
(日本円で約6496円)。

「甘ければ甘いほど高く課税される」
という設計なんだよ。

とのまりこ
面白いのが、
「ダイエット系」の飲み物も
対象になっていること。

砂糖の代わりに人工甘味料を使った
コーラゼロのような飲み物には、
砂糖飲料とは別の税体系が適用されます。

税額は砂糖入り飲料より
低めに設定されてはいますが、
「ゼロカロリーにしても
課税対象からは逃げられない」
という設計になっています。

バブー
さらに、店内で飲料を提供するときは、
TVA(付加価値税)も
持ち帰り食品などの軽減税率(5.5%)より高い
「10%」が適用されるよ。

つまりレストランのオーナーたちは
「ソーダ税+10%の消費税」という
二重の重荷を背負っているんだよ。

とのまりこ
野菜や果物や肉や魚も
ただでさえすごく値上がりしていて、
外食費もとてつもないお値段になり
外食を控える人も多くなっているのに、
元々は利益も出やすい「稼ぎ頭」の
ひとつだったドリンクの部分で
仕入れ値がどんどん上がっている。
高くすればするほどお客様には不評だし、
仕入れないわけにはいかないし、
かといって店側が全部かぶると
経営が成り立たないし‥‥
というオーナーの苦悩があるようです。

 

レストラン経営をしている友人、
安く仕入れて利益を乗せて出すだけという
本来は稼ぎ頭であるドリンクなのに、
『ソーダ税』が高くなったおかげで
仕入れ値が上がり悩んでいると教えてくれました‥‥。

 

バブー
よくカフェで飲み物を頼むとき
「コーラよりビールの方が安い!」って驚く
観光客の人も多いのだけど、
この「ソーダ税」も
結構影響しているんだね。

アルコールにももちろん酒税が
かかってはいるんだけど、
生ビールにかかる酒税と
コーラにかかるソーダ税を比べると、
同じ500mlで1.8倍から3.6倍の
違いが出るみたいだよ!

税金の違いに輸送コストや
容器の効率性の違いも重なって、
生ビールやワインの方が
コーラよりずっと安い!
って不思議な現象が起こるんだね。

とのまりこ
フランス政府側の言い分は
「この税金は国民の健康のため。
肥満を防いで医療費を削減するために
大切な政策だ」ということなのですが、
フランス人の加糖飲料の消費量は
もともとヨーロッパの中ではかなり少ない方で、
砂糖の摂取量全体に占める清涼飲料水の割合も、
わずか8%ほどなんだそうです。

 

パリの一般的なカフェ、コーラやオランジーナは
大体4、5ユーロから6ユーロくらい(約835円から1114円くらい)。
なかなかのお値段でしょ?!
観光地に行くともっともっと高いことも多いよ!

 

バブー
だから国民からはいろいろな
反対意見もあるようだけど、
「ソーダ税」が消える気配は
今のところないよ。

カフェのテラスで
コーラやファンタやオランジーナを
飲むとき、
「このお高い値段にはフランス人への
健康政策が入っているんだな…」
と思い出してみてね。

それでは今週もよい1週間を!

 

*とのまりこさんの本*


「シンプルシックで心地よい暮らし
パリの小さなアパルトマンで楽しむおうち時間」
出版社 : 世界文化社
発売日 : 2021/5/29

 

 

※この連載を再編集し、
 書き下ろしも入れて新潮文庫になりました。
 こちらをぜひご覧ください!(2015年8月出版)

フランス雑貨のお店オープンしました。
バブーくんは日本滞在時に、お店にいます。

「Boîte」(ぼわっと)
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illustration:Jérôme Cointre