鶴瓶 |
こないだね、
白の全身タイツ着たんですよ。
ナイナイの番組で。
顔だけ出して、バレないように、
箱のなかでじっとしていたんです。
ほんで最後、見つかって出されるんですよ。
でも、ずーっといて、
長いこと箱の中にいてると、
これ、いっぺんぬくぅなってたら
おもろいやろなと思って。
全身タイツやし。
それで、ぬくなれ、ぬくなれって
ずーっと箱の中で思ってたら、
ほんとに、ぬくぅなったんですよ。
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糸井 |
(笑)
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鶴瓶 |
出てきたら、
全身タイツでぬくぅなってるからね。
ナイナイが
「なに前をぬくぅしてる!」って(笑)
……あれは、ぬくぅなりましたね。
まぁ、こっちが、
「これがふつうの時間です。
あなた、大きさ、わかんのんか?」
と言えばいいわけです。
ふつうの時間もこんなんです。
ぬくいんです。
いつもぬくいぐらいのあれですよ、と。
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糸井 |
(笑)
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鶴瓶 |
有事の時には、
いつでも動くで、いうやつですよ。
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糸井 |
(笑)すごいですね。
五三歳で、
テレビに映る場面で、大きくしてる人って。
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鶴瓶 |
いつも、
「こんな五三歳、ないでぇ」
っていうのがぼくの目標ですね。
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糸井 |
そういえば、たまに、
日本国の法律で生きてないみたいな人が、
いっぱいいるじゃないですか。
大阪とかには今でもいますよね。
売れるはずがないものばっかり置いてる店とか。
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鶴瓶 |
もう、ぼくらの初舞台のところが、
そういうとこだったんです。なに置いとんねんと。
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糸井 |
うん。片っぽの草履みたいな。
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鶴瓶 |
そうそう。
そういうのが集まってて、
ちゃんと売れてんのよね。
「なに置いとんねん」といっても
店の人は、「売れてるやん」って。
そこがぼくの初舞台の場所だったんですよ。
眉毛、マジックで描いてる
オバチャンがいつも座ってはって、
その人に求婚してるオッサンがおるんです。
串カツ屋の犬が、
ときどき、おらんようになるんです。
毎回、犬が変わっとる。
そんなところです、初舞台は。
その楽屋へ入る入口が、えづきそうになる臭さで。
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糸井 |
(笑)
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鶴瓶 |
こんなもん、人を笑わす状態やない。
そこ通って、
かならず「ウッ!」てなって、楽屋へ行く。
そういうところで育っとんねや、ほんまに。
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糸井 |
その臭いは
今でもきっと脳の中に残ってますよね。
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鶴瓶 |
今でも、そこへ行きゃ臭いますよ。
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糸井 |
あはははは!
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鶴瓶 |
臭いますよー。
臭いですね、人間って。
人間が出す臭いって、臭いなぁ。
そこがおもろいんやけどね。
それが何年も通うと
懐かしい臭いになってくる。
もちろん、臭いの。
だけど、その臭いが、
イヤじゃなくなる鼻があるんですよね。
もう、今行ったら、
またイヤかもわかりませんよ?
でも、そういうところでやってるとき、
そこは新花月いうところですけど、
そこの臭いのところに行くと、
自分は、また奮い立って
何かをしようって思うというか。
どういう場所かというと、
昼の日中ですよ、
神社でそのマジックのおばちゃんと
誰かが交尾してるような。
「……え?」て思たもん。神社やで?
ごっついおばちゃんでね、
いつもパンツはいてはれへんのですよ。
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糸井 |
それを口説いてるオッサンがいて、
時には交尾もして……。
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鶴瓶 |
それをタクシーの中からフッと見てしまう。
それも神社で。
わかってやっとるんか? っていう。
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(つづきます)
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