たのしきかな、家族。〜山田一家 取り調べ帳

証言10 妹は、上京してはじめて口をきいた男の人と結婚しました。

ほぼ日 おふたり姉妹がご実家を離れて
暮らすようになって、
何年経つんですか。
かおり わたしは、
いまのところ7年ぐらいです。
まき わたしも6年ぐらいですね。
ほぼ日 では、ほぼおなじ時期に
出ていったんですね?
かおり そうです。
ほぼ日 ご両親、さみしがったり
されましたか。
かおり うーん、はじめは
さみしがってたかな。
わたしはその前に一度
4年ぐらい東京に出てた時期があったので
慣れてたとは思います。
ほぼ日 まきさんは、
ご結婚がきっかけで
家を出られたわけじゃないんですか?
まき あ、ちがいます。
ただ、なんとなく出ました。
かおり わたしが東京に来て、
やがて妹も
同じ町に引っ越してきました。
お互いひまで、遊んでました。
そうしたら妹は、
「バイトする」と言って、
そのバイトの面接をしてくれた
年下の男の子と結婚しました。
ほぼ日 え‥‥‥?
もうじゃあ、すぐ?
ほんとにそのときのバイトの?
まき はい。こっち来て、
はじめてしゃべった
男の人と結婚しました。
かおり ヒュー、ヒュー。
 
全 員 (笑)
ほぼ日 すごいですね。
どこに出会いがあるかわからないですね。
なにかこう、
父母の結婚と通ずるものを感じます。
かおり でも、めっちゃキショイんですよ、
旦那さん。
妹とすごく気があってる感じ。
お似合いなんです。
まき そう?
かおり わりと融通のきかない
くそまじめなタイプですが、
そこがわたしと妹のツボかもしれません。
なんか、まじめやねんなぁ。
ほぼ日 やっぱり、
おとうさんがまじめですから、
まじめな人がいいですよね。
まき はい。
まじめな人がいいです。
ほぼ日 結婚することを告げたら
ご両親は何と?
まき なんだかね、そこはとても
さびしそうでした。
きっと大阪に帰ってくるもんだ、と
思ってたみたいだから。
かおり そう。とうさん、
まきちゃんといっしょに
店やろうと思ってましたからね。
どうしてもたこ焼き屋さんを
開きたかったんです。
まき わたしが夢を壊してしまったんです。
ほぼ日 ははは、でも、まだねぇ?
かおり そうそう。
別居しぃ、とすすめてるんです。
ほぼ日 ‥‥肝心なことを訊いていいですか。
まき はい。
ほぼ日 おとうさんの、
まきさんと店をやりたい、という
その気持ちは本気の真顔ですか。
かおり そうなんです。
あれは本気やで。
 
まき どうしようかな。
ほぼ日 揺らがないんですね。
かおり 揺らいでないです。
ほぼ日 そして、かおりさんは
妹がひそかに
絵を描いていたことは
むかしから知ってたんですね?
かおり 大人になってからです。
絵を描きはじめたのも、
大人になってからだよね。
まき うん。
二十歳ぐらいからです。
かおり 家で妹が描いた絵を見つけて、
何やこれ、ヤバい絵やなぁと思って
集めました。
これ、本にならんかなぁ、と
思っていたことが
このたび実現できてうれしいです。
ほぼ日 『株式会社 家族』を読んでるときは
ぜんぜん気づかなかったんですけれども、
まきさんの原画、かなり小さいんですね。
まき そうです。
2センチとか
小さい紙に描いてます。
ほぼ日 拝見していても、飛びそうで怖いです。
‥‥さて、今日のかつ丼は
何にしようかなぁ。
かおり たこ焼き2人前で。
具はたこじゃなくて、こんにゃくでいいです。
父はこんにゃくを
たこの代用にしたセコい商売を目論んでいます。
ほぼ日 ええええ?!
(取り調べは、つづきます)
本日の取り調べの成果

たこやき2人前
(具はこんにゃく)
※今回のこのコーナーのイラストは、父担当です。
 父がFAXでどんどん送ってくれます。

2010-06-11-FRI
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