ジョージ |
この人(つねさん)はねえ、
ほんとに‥‥。 |
つねさん |
オンとオフがあんだよ。 |
ノリスケ |
あーん?
オンがある〜〜?? |
ジョージ |
オン‥‥あるよね?
面白いもんで、さっきの誰のために
おしゃれをするのかじゃないけど、
例えばマーク・ジェイコブズを着てね、
二丁目に行っても意味がないわけよ。 |
ノリスケ |
あ、ないです、ね。 |
ジョージ |
だって、この生き物に要求されているのは。 |
つねさん |
アバクロであったりぃ、
エディ・バウアーであったりぃ。 |
ノリスケ |
アメリカの‥‥。 |
ジョージ |
田舎のおじさん系であって、
おじさんはマーク・ジェイコブズは
着ないのね。 |
ノリスケ |
そうですね。 |
ジョージ |
その部分は、上手に残してあるの。
だけど、エッジの効いた人と
ニューヨークに行きますよーって
なった時には、も、困り果てるんだよ。
どうしようって。 |
つねさん |
困るよね〜。 |
ジョージ |
で、あそこに行ってあそこに行って
あそこに行くことになってるんだよって。
あそこに行く洋服もないよね?
ここに行く洋服もないし、
そもそもこのかっこじゃ、
一緒にリムジン乗ってくれないよね
みたいな感じの(笑)。 |
ノリスケ |
で、どうしたの? |
ジョージ |
それで、全部揃えたの。 |
つねさん |
揃えた! |
ノリスケ |
揃えた?!
向こうで? |
ジョージ |
こっちで。 |
つねさん |
こっちで! |
ノリスケ |
オーダーね‥‥。 |
ジョージ |
それはもう、仕立てれば
いくらでもできるじゃございませんか? |
ノリスケ |
伊勢丹メンズ館があるからね。 |
ジョージ |
そいうこと。 |
つねさん |
ねー。 |
ジョージ |
かっこよかったね。あれはあれで。 |
ノリスケ |
んまあ、つねさん、よかったねえ。
どういうの作ったの? |
ジョージ |
三つ揃え。 |
ノリスケ |
ダークスーツ? ブラックスーツ? |
ジョージ |
んとね、わりとはっきりとした
ストライプの入った‥‥、 |
ノリスケ |
タキシードではない? |
ジョージ |
ま、普通のスーツ。 |
つねさん |
ダークグレーみたいな。 |
ノリスケ |
普通のスーツで三つ揃え? |
ジョージ |
セットアップでも着れるし、
ま、三つ揃えでも。
それにシャツをいくつかと、
セットアップで履けるパンツと。
‥‥あと何?コート。 |
つねさん |
コート。コート。 |
ジョージ |
お靴もね。 |
ノリスケ |
なんか、上京する息子を持つ
お母さんみたいなことしたのね。 |
ジョージ |
うん、そんな感じね。
デビューさせるみたいな感じ? |
|
ノリスケ |
つねさんは、オンとオフの基準が
ちょっと独特なのが面白いね。
ゲイって表に出る時って
全部オンになるはずなんだよ。パチッと。 |
ジョージ |
ああー。 |
ノリスケ |
何処に行くにしても、
家を一歩出たらオンのはずなのよ。
コンビニ行くのもオンのはずなのに、
‥‥普通がオフなんだよね。 |
つねさん |
はい! 俺なんか、スリッパにジャージで
新宿行きま〜す! |
ノリスケ |
‥‥!
あーあーあー。 |
ジョージ |
それ聞いた時のショックったらなかったわ。 |
つねさん |
行けま〜す(笑)!
あ、「行きます」じゃなくて、
「行けます」だよ(笑)! |
ジョージ |
もうお願いだから、その時、
街ですれ違っても、他人でいましょう! |
つねさん |
声かけないでって(笑)? |
ジョージ |
例えば、僕が若いかわいい男の子と
一緒に歩いてるところに、
新宿で出会って声かけていただいても
いっこうにかまわないけど、
サンダル履きでジャージ姿の
つねさんを見た時は、
もう、他人でいましょう! |
つねさん |
だって原付で行っちゃうから。
つっかけでぴーって
行っちゃうんだもん‥‥。 |
ノリスケ |
だから、いいわけはやめなさい(笑)。
普通のおかまは原付乗る時も、
原付に乗るためのファッションとは何かを
考えるはずなんですっ。 |
ジョージ |
誰かに見られているということが
前提だからね。 |
つねさん |
そうか。 |
ジョージ |
この人の場合は、他人の目線は
全然ないんだよ。 |
ノリスケ |
それがすごいんだよねー! |
つねさん |
あ、なるほど。 |
ジョージ |
ね? だから、僕は、
この人の他人の目になってあげないと
いけないんだよ。 |
ノリスケ |
ああー! なるほど〜!! |
つねさん |
やった! 二人三脚だ! |
|
ジョージ |
あ、でもそれって、
普通のノンケのおじさん、たぶんそうだ。 |
ノリスケ |
そうでしょ! |
ジョージ |
他人の目線がないから、なんかしんないけど、
おしゃれでもないのにサスペンダーを
してみたりとかするんだよね。楽だもんって。 |
つねさん |
サスペンダーって、肩凝るよね。 |
ジョージ |
‥‥他人の目だよ。他人の目の話! |
ノリスケ |
ジョージさんがつねさんの
他人の目として生きているという、
この遊び‥‥、
遊びじゃないかもしんないけど(笑)、
続きますね。
全然学習してないもん(笑)。 |
ジョージ |
でも、それでもね、考えてみたら、
モンゴルの民族衣装をネットで落とすなんて
プログラムは今までなかったはずだから。 |
ノリスケ |
あ、そう。なんでそれを
検索したのかわからない。そもそも。 |
つねさん |
あったの。昔から、そういうのが。 |
ノリスケ |
ええ(笑)? なーに言ってんの? |
つねさん |
昔から変わった服好きだったんだもん。
最近はすごく地味ですけど。 |
ジョージ |
よかった! その変わった派手な服が
好きな時代じゃなくって。 |
ノリスケ |
確かにねぇ、最初に会う時に
モンゴルの衣裳着てきたらねぇ(笑)。 |
ジョージ |
ちょっとびっくりするよね(笑)。
またそれがすごく似合ってたりとかしてね。
どうしよう〜。 |
ノリスケ |
だいたいつねさんの顔って、
日本人に見えないんだからさ。 |
つねさん |
モンゴル系って言われる。言われてた。 |
ノリスケ |
モンゴル系‥‥でもないよ? |
ジョージ |
基本的にどこの国の人かわかんないけど、
山奥の人だろうなっていう感じ(笑)。 |
ノリスケ |
そうそうそう(笑)。海辺の方じゃない。 |
ジョージ |
がするよね? 街の中じゃないし。
‥‥でも、他人の目が
ほんとにないっていうのはね、
すごいことだと思う。 |
つねさん |
なるほど。 |
|
|
しあわせじゃないですか! つねさん。
次回このテーマの最終回! |