前髪が長い。 | |
‥‥え? | |
切ったほうがいいです、前髪。 | |
‥‥なんのことですか? | |
目に入って、うっとうしいでしょうに。 これ(MacBookのモニタを見せる)。 |
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あっ!! なんで(笑)、なぜ今これを見るんですか。 |
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福田さんに「ほぼ日のくびまき」の モデルをお願いしたことは聞いていたんです。 |
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えらいことを頼まれて‥‥ こんなんですみません。 |
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「男のくびまき」というスライドショーで。 ちゃんとモデルができているのか、 わがことのように心配していました。 で、見てみたら‥‥。 なかなかなものだったのですが、 ぼくは前髪が長いのが、気になって気になって。 |
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はい、長いです、切ります、今日切ります。 なのでこの画面を閉じてください。 |
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あと、このポーズはなんなのかと。 | |
ぅわおふぇいっ!(妙な音を出す) | |
モデル的な? | |
やめてください(笑)。 | |
アンニュイな? | |
やめてください(笑)。 | |
頭のお皿をおさえて。 | |
やめ‥‥‥‥あ、ほんまや。 | |
なにはともあれ、 「モデル」を、ありがとうございました。 |
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‥‥お願いです、 お願いですからコーヒーの話を。 |
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はい、冒頭からこれは大きな脱線です。 | |
はい。 | |
前回も余計なおしゃべりで けっきょく時間が足らなくなって、 コーヒーを淹れられませんでした。 |
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コーヒーのページなのに。 | |
このコンテンツが始まって、 2カ月たつんですよ? なのに、まだコーヒーを淹れてないって。 |
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どうかと思います。 | |
不定期更新とはいうものの、 いくらなんでもそろそろコーヒーを淹れないと、 なにがなにやらわからなくなるので福田さん! |
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は、はい。 | |
今回は福田さんが来る前に、 ぼくは水をくんでおきました! ほらぁ!(MacBookをスマートに指し示す) |
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‥‥やかんに水を入れてる写真で、 そないに大層に言われても‥‥。 |
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なにをおっしゃいますか福田さん。 これはもう、極めてたいせつなポイントを さりげなく語り始めている1枚じゃないですか。 |
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‥‥え? というと‥‥水のことですか? |
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そう、水。 | |
水。 | |
たいせつな、水。 このやかんの写真の大事な点は、 「水道水を入れている」ということです。 |
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あー、そうか、はいはい。 そうかそうか、なるほど、そうかそうか。 |
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「そうか」を言いすぎですけれど、 ね? たいせつでしょ? |
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たしかに。 | |
いろんな水でコーヒーを淹れてみましたが、 結局「水道水」でオーケー、 ということになったんですよね。 |
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そうでした。 | |
ミネラルウォーターも試してみました。 そういうお水のほうが 当然おいしくなると思って。 |
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ところが。 | |
ところが、ならないんですよー。 おかしいなー? おいしいお水のはずなのになあ? と思って、 何度かミネラルウォーターで淹れたんですが、 どうにも「?」という感じで。 |
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まろやかにならないんですよね。 | |
そうそう、エキスを十分に抽出しないで すとんとお湯だけ落ちてしまうような印象で。 |
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はい、はい。 | |
ぼくらが試したミネラルウォーターは ヨーロッパのものだったんですけれど、 「硬水」の場合が多いんですよね。 |
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硬い水。 | |
ミネラルをたくさん含んでいる硬いお水です。 日本のミネラルウォーターは そんなに硬度が高くないんですが、 海外のは硬水の場合が多いんですよ。 これが、どうにもコーヒーには合わない。 そのまま飲んだり頭のお皿を湿らせるには ちょうどいいんですけど。 |
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さりげなくカッパの話をまぜなくていいです。 | |
一方、日本の水道水というのは、 基本的に「軟水」です。 |
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軟らかい水。 | |
何冊かのコーヒーの本を読んでみましたら、 やっぱり書いてありました。 「コーヒーの抽出には軟水が適している」と。 つまり、 本を読んでの受け売りと、 自分たちの体験から、 「コーヒーには水道水で十分」 という考えにたどりついた次第です。 |
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はい。 | |
そんなわけで、ここに堂々と、 浄水器を通しただけの水道水をご用意しました。 |
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カセットコンロで沸かします。 | |
じゃあ、点火。 | |
「弱火がいい」と山下さんが言いました。 | |
はい。そんな気がして‥‥。 いや、以前ですね、 炭火でゆーっくり沸かしたお湯で コーヒーを淹れたら、 とろーんと、すごくまろやかにできたんですよ。 だからまあ、時間をかけた方がいいのかなーと。 |
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それは全体的に言える気がします。 コーヒーは急がない方がいい。 |
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お、いいことを言いますねえ! | |
あと、あれです、 やかんのフタをはずして沸かすのもポイント。 |
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おー、またもやいいことを。 そうなんです、フタをしないほうが 水道水のカルキが抜けやすいと聞きました。 |
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それから「念」を送ります。 おいしい水にならんかーい。 |
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それは要らない。 | |
はい。 | |
弱火なので沸騰するまで時間がかかりますが‥‥。 福田さん、きょうはどんなカップで飲みます? |
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え、あ、はい。 こんなんを持ってきてみました。 |
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なんか変わったカップです。 | |
水筒というか、 魔法瓶みたいになってるんです、ほら。 |
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はああー、おもしろーい。 一杯分だけコーヒーを淹れて出かけるんですね。 また、もう、この、オシャレ! アウトドア派! 沼のほとりで! |
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まぜない、カッパをまぜない。 ‥‥で? 山下さんのカップは? |
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これです。 | |
それは、大橋歩さんの。 | |
はい。「イオギャラリー」で買いました。 くーすけのマグカップ。 最近もっとも使用頻度の高いカップです。 |
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うーん‥‥絶妙なデザイン‥‥。 さすが大橋さんです。 |
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さあ、お湯が沸くまでに やるべきことがありますよお。 |
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そうです、豆を挽くのです。 | |
きょうはほら、こーんなコーヒー豆を。 | |
あー、ふっくらとして、 きれいな豆ですねえ。 |
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これをふたり分、はかりましょう。 | |
メジャーで? | |
そうですね、メジャーならばこのくらい。 山盛り1杯がひとり分です。 |
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粉になっている豆なら、すり切り1杯がひとり分。 | |
はい。 ぼくの場合は、このミルにたっぷり入れると ふたり分の26グラムになることを知ってるので 毎回メジャーは使いません。 |
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それ、ぼくが挽いてもいいですか? | |
どうぞどうぞ。 | |
では(ゴリガリゴリゴリガリ‥‥)。 | |
回しているときの手ごたえでわかるんですよね、 それがどういう感じの豆なのか。 |
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ちょっとわかります(ゴリガリゴリ‥‥)。 | |
なんていうんでしょう‥‥。 固くて引っかかるような手ごたえだと、 あんまりよろしくないような? |
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そうですね(ゴリガリゴリ‥‥)、 ある程度なめらかに挽ける方が ぼくら好みの豆なのかもしれません。 |
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はい、そんな気がします。 | |
‥‥これはいい豆かもしれません。 (ゴリガリゴリゴリガリ‥‥) すてきな手ごたえでなめらかに回ります。 |
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ああー、いい香りがしてきましたー。 あああー‥‥。 |
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じゃあ、もっと香りがするように、 早く回します(ガリガリガリガリガリ!)。 |
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あ、あ、あ、あ、それはダメなことよ! | |
え、え? そうなんですか? | |
そうらしいですよ。 挽くときはゆっくりやらないと、 豆によろしくないそうです。 福田さん、自分で言ったじゃないですか、 「コーヒーは急がない方がいい」って。 |
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そうでした、すみません。 (カラカラカラカラ‥‥) ‥‥あ、ぜんぶ挽けたみたいです。 |
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どれどれ、どんな感じです? | |
おおー、いいのではー。 | |
いいですねー。 | |
ペーパードリップの場合、 このくらいの細かさに挽いています。 写真でわかるといいんですけど‥‥。 |
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グラニュー糖よりすこし粗いくらいですね。 | |
はい、そうしています。 これをば、セットしておいたドリッパーに ザザッと入れまして‥‥。 |
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トントントンと叩き、 表面を平らにしましたら準備は完了。 |
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そうこうしている間に、お湯がグラグラ。 | |
沸いてきましたね。 | |
沸いてきました。 | |
ぼくらのこころも。 | |
ぼくらのこころも沸いてきました! | |
いよいよ! | |
いよいよです! | |
うわ、なんか緊張してきた! | |
いっつもやってることなのに! どないしよう?! |
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お、落ち着きましょう! | |
落ち着きましょう!! | |
この写真のときのように。 | |
やめてください。 | |
(つづけましょう!) |