Lesson1109
「楽しく生きる」の方向幕
2024-08-28
ストイックな人生を歩んできた私が、
ここ数年、一生懸命取り組んできた課題の1つが、
「楽しむ」。
けど、「楽しむ」には落とし穴もある。
昭和に生まれた私は、
スポーツ根性もの(=スポコン)を見て育ち、
努力・根性・ガムシャラを刷り込まれてきた。
自分を追い込んで、限界まで努力し、
限界突破! を得意とし、よく徹夜もした。
けど、時代は変わった。
働き方改革の波、もうガムシャラは流行らない。
「楽しんでやっていたら、
いつのまにか周りを巻き込んでいて、
みんなも一緒になって楽しんでやってくれて、
気づいたら、こんな成果が出ていました」
という行き方がリスペクトされる。
高校生や大学生はじめ、若い世代と
仕事をすることも多い私は、
この時代の波をもろにかぶり、
なんとか自分をアップデートさせようと必死に、
いや、いかん、「楽しんで」、試行錯誤していった。
それまで楽しいを習ってこなかった自分が、
自分を変えるのはラクではなかった。
けど、「楽しい」にアンテナをはり、
まるでラジオのチューニングを合わせるかのように、
「楽しい方へ、楽しい方へ」と、
心とカラダをコツコツ調整していったら、
運動が毎日続くようになった。
コツをつかんで、コツコツと習慣をつくり、
仕事にしろ、学びにしろ、生活にしろ、
なにごとも「楽しんで」やれるようになっていった。
自分を追い込むことがなくなった。
徹夜もしなくなった。
まだまだだけど、8時間睡眠を目標にする日々。
人を送り出す時にも、
「頑張って!」ではなく、
「楽しんで!」と心から言える。
結果、睡眠、運動、食事などの生活のベースが整い、
自分にも、人にも、ムリをさせない穏やかな日々。
「でも、なんかポッカリ忘れものをしたような」
そんな感覚がずーっとあった。
なんだろう、なんだろう?
と違和感を抱え続けたはてに、
こんな問いに出くわした。
「その楽しさの先に目標や夢の達成はあるか?」
はっ、と、痛いところを突かれた感覚が走った。
そこで私はコワゴワ、
この数年、自分が乗って来た人生の
「方向幕」を見るようなことをした。
方向幕(ほうこうまく)とは、
バスなどの正面に「新宿」行きなどと書かれている
幕のことで、行き先などを表示する。
英語でRollsign(ロールサイン)。
当初私は、行きたいところがあって、
そこへ行くために、
今の時代の楽しむ風潮に乗った、つもりだった。
けど、方向幕は、いつのまにか、
くるくるくるっ、と、すりかわって、こう書かれていた、
「楽しく生きる」
あっぶねぇ! と、いまさら気づいて、
私は、その路線を即座に降りた。
楽しくやるのは、楽しく生きるためではない。
「自分の想う道へ進む!」
「心が向かう行き先へちゃんと行けるようにする!」
っていう大前提があって、
で、自分の想いを叶えていくのはラクではないし、
努力や苦労も要るし、辛いこともいっぱいあるけれど、
「その道を創意と工夫でできるだけ楽しんで歩いていく」
ってことなのだ。私にとって。
そこまちがえると、楽しい楽しいと思いながら、
着いてみると、
とんでもなく心が行きたくない場所だった、
ということになる。
いま、目の前の楽しさに乗っかろうとする時、
その楽しさの先に何があるか? 行き先が肝心だ。
「心が向かう行き先か?」
立ち止まって、心に問い、
方向幕を確認しよう、と私は思う。
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聴取サイトは、http://www.jfn.co.jp/susume/
(MP3ダウンロードのボタンをクリックしてください)
または、iTunesからのダウンロードとなります。
ほんとうにおかげさまで本になりました!
ありがとうございます!
▲『おかんの昼ごはん』河出書房新社
「親の老い」への哀しみをどう表現していいかわからない
私のような人は多いと思います。
読者と表現しあったこの本は、思い切り泣けたあと、
胸の奥が温かくなり、自分の進む道が見えてきます。
この本が出来上がったとき、おもわず本におじぎをし、
想いがこみ上げいつまでもいつまでも本に頭をさげていました。
大切な人への愛から生まれ、その先へ歩き出すための一冊です。
『「働きたくない」というあなたへ』河出書房新社
「あなたは社会に必要だ!」
ネットで大反響を巻き起こした、おとなの本気の仕事論。
あなたの“へその緒”が社会とつながる!
『新人諸君、半年黙って仕事せよ』
―フレッシュマンのためのコミュニケーション講座(筑摩書房)
私は新人に、「だいじょうぶだ」と伝えたい。
「あなたには、コミュニケーション力がある」と。
――山田ズーニー。
▲『人とつながる表現教室。』河出書房新社
おかげさまで「おとなの小論文教室。II」が文庫化されました!
文庫のために、「理解という名の愛がほしい」から改題し、
文庫オリジナルのあとがきも掲載しています。
山田はこれまで出したすべての本の中でこの本が最も好きです。
『おとなの進路教室。』河出書房新社
「自分らしい選択をしたい」とき、
「自分はこれでいいのか」がよぎるとき、
自分の考えのありかに気づかせてくれる一冊。
「おとなの小論文教室。」で
7年にわたり読者と響きあうようにして書かれた連載から
自分らしい進路を切りひらくをテーマに
選りすぐって再編集!
▲文庫版でました!
あなたの表現がここからはじまる!
『おとなの小論文教室。』 (河出文庫)
ラジオ「おとなの進路教室。」
http://www.jfn.co.jp/otona/
おとなになっても進路に悩む。
就職、転職、結婚、退職……。
この番組では、
多彩なゲストを呼んで、「おとなの進路」を考える。
すでに成功してしまった人の
ありがたい話を聞くのではない。
まさに今、自分を生きようと
もがいている人の、現在進行形の悩み、
問題意識、ブレイクスルーの鍵を
聞くところに面白さがある。
インターネット、
ポッドキャスティングのラジオ番組です。
「依頼文」や「おわび状」も、就活の自己PRも
このシートを使えば言いたいことが書ける!
相手に通じる文章になる!
『考えるシート』文庫版、出ました。
『話すチカラをつくる本』
三笠書房
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いまさら聞けないコミュニケーションの基礎が
いちからわかるやさしい入門書。
『文庫版『あなたの話はなぜ「通じない」のか』
ちくま文庫
自分の想いがうまく相手に伝わらないと悩むときに、
ワンコインで手にする「通じ合う歓び」のコミュニケーション術!
『17歳は2回くる―おとなの小論文教室。III』
河出書房新社
『理解という名の愛が欲しいーおとなの小論文教室。II』
河出書房新社
『伝わる・揺さぶる!文章を書く』
PHP新書
内容紹介(PHP新書リードより)
お願い、お詫び、議事録、志望理由など、
私たちは日々、文章を書いている。
どんな小さなメモにも、
読み手がいて、目指す結果がある。
どうしたら誤解されずに想いを伝え、
読み手の気持ちを動かすことができるのだろう?
自分の頭で考え、他者と関わることの痛みと歓びを問いかける、
心を揺さぶる表現の技術。
(書き下ろし236ページ)
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