怪・その29

「お地蔵さまの祠」



うちの町内にある古い公園には、
お地蔵さまがいらっしゃる。

3日に1回、1軒の割合で、
祠のお掃除当番が回ってくる。

先日、久しぶりにお当番が回ってきた。

仕事から帰って、
日が暮れる前の19時ごろ、公園に向かった。

近頃はこの辺りも高齢化が進み、
公園で遊んでいる子どもはいないし、
道中すれ違う人もほとんどない。

さて。
と祠の前に立った途端、

パタパタパタパタっと
祠を半周するような小さな足音がした。

まるで縁側を駆ける子どものような、
いや、それよりも軽い足音。

えーー? 誰か走った?
滅多に人が来なくなった公園に、
誰か来たから走っちゃった?

などと考えながら、
お供えの湯呑みのお水を替え、
そそくさと公園を後にした。

(ついて来ないでと強めに念じながら帰宅)

こわいね!
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2024-08-22-THU