第1回りかさんの号泣。
シェフ
さて、今回の感激物件は、
『いけちゃんとぼく』です。
山下
漫画家・西原理恵子さんの作品ですね。
スガノ
武井さん(シェフ)と、りかさんと、
チナちゃん(コウノ)が、
とくに西原さんのファンなのよね。
シェフ
ですね。
りか
だいすき。
甲野
ファンです。
山下
ぼくらももちろん
西原さんの作品には触れているんですが、
この3人ほど熱心な読者ではないんですよ。
あやや
そう、この3人ほどには。
山下
そもそもの話をちょっとしますと、
数カ月前のことなんですが、
武井さんから絵本をすすめられたんです。
それが、『いけちゃんとぼく』でした。
スガノ
うん。
山下
絵本なので、その場で一気に読みました。
そしたら‥‥いいお話なんですよ。
シェフ
すごい絵本です。
ここにいるみんなは、
先に絵本を読んだんだよね。

はいー。
山下
それが、映画化されると。
しかも「実写」だと聞きまして。
りか
そう、実写。ふふ。
山下
たいへん興味がわきましたので、
試写会にお邪魔させていただいたと。
甲野
行きましたね、みんなで。
あやや
わたしだけ別の日に観ましたが。
シェフ
そして、まあ映画を観まして。
スガノ
観まして。
シェフ
まず思ったのは、
「この体験をどうやって伝えよう?」
ということでした。
山下
つまり「難しいぞ」と思ったわけです。
シェフ
もちろん感激したんですよ。
感激しなかったら感激団はやらないので。
生意気なようですが、それについては
ばかみたいに正直でありたいですよね。
山下
はい。
感激したんですよね、ほんとに。
だって、号泣でしょう、あれ(笑)。
甲野
りかさんの号泣ですね(笑)。
りか
恥ずかしい!
シェフ
ふつうじゃなかった、あの泣きかたは。
りか
やだ! 恥ずかしい!
あやや
ちなみにこのなかで、
映画を観てウルッときた人は?
(挙手)。
あやや
あ、ぜんいんですか。
そっかー、うーん‥‥
ごめんなさい、わたし、泣いてません。
甲野
あやまることはないと思います。
あやや
試写会場ではどんな感じだったんですか?
シェフ
ええと、あの日、われわれは、
こんなふうに一列に座っておりました。

(席順)
スガノ 甲野 りか りか 山下 シェフ

あやや
しらない人?
山下
ほんとにしらない人。
ぼくらより先に中央に座ってたので、
この、しらない人をはさんで、
一列に並ぶことになったんです。
あやや
なるほど。
で?
シェフ
で、映画が始まりまして‥‥。
あの、試写会というのはですね、
映画関係者であるとか、
マスコミであるとか、
ほんとに深く映画をご存知のかたが
来るものですよね。
ところが、われわれはぜんぜん違う。
もう、一般のお客さん(笑)。
あやや
うんうん。
山下
ポップコーン食べたいなあ、
とか思いながら観はじめました。
シェフ
ふつうにグッときちゃうんですよ。
ぼくは、ある場面から急に、もう、
目から水が、出るわ出るわ。
りか
ふふふ。
シェフ
困っちゃって。
自分だけが泣いてると思ったんですよ。
「これはやばい、おれひとりが泣いてる」
あやや
ああ。
シェフ
ものすごくがまんするもんだから、
椅子がカタカタ震えて(笑)。
山下
となりにいて伝わってきました。
シェフ
気がつかれまいと必死に
腹筋にちからを入れてたんだけど。
りか
ふふふふふ。
山下
でもそれ以上に、
ぼくの右となりがすごくて。
シェフ
そうそう、
ぼくはいちばん左だったんですけど、
右方向からもっとすごい、揺れと音が。
スガノ
りかさんだ(笑)。
りか
やだ、言わないで!
シェフ
ガタガタガタガタ、うぇっ!
みたいな、もう動物的な。
山下
うぇ、うぇっ、うえええっ!
シェフ
ずるずるずるずる、うごっ(笑)。
山下
しらない人↓は大迷惑ですよ。

(席順)
スガノ 甲野 りか りか 山下 シェフ

スガノ
揺れるし、うるさいし。
災難(笑)。
シェフ
ポロリとかじゃないんです、号泣なんですよ。
この人は、ずーっと号泣。
りか
やめて恥ずかしい!
シェフ
でも、いちばんすごかったのは、
試写室を出てからだったよね。
山下
そう、そこからが泣きの絶頂。
観終わってロビーに集合したら‥‥。
甲野
りかさんの涙がとまってない。
スガノ
とまるどころか、
「うぅわあああ」っとか言ってる。
山下
で、ピークはエレベーターの中ですよ。
しらない人もいっしょに乗ってる中で。
「おいおい」泣いてて‥‥。
シェフ
それが「おんおん」になってきて。
山下
やがて「おろろんおろろん」になりました。
なにか言おうとするんだけど、
嗚咽でぜんぜんわかんないの。
もう、「おーろろん、おーろろん」
スガノ
わははは、
「おーろろん」だった!
山下
しらない人たちは笑ってるし。
シェフ
一緒にいるぼくらも気まずいから、
「なに泣いてんのー」
とかいうんだけど、さらに激しく‥‥
山下
「おーろろろろん! うおろろろろろ!」
いやあのね(笑)、おおげさじゃなく。
シェフ
号泣も超えて(笑)、なんだあれは‥‥
あ、「慟哭」だ。
山下
そう、「叫び」でした。
魂の叫び。
あやや
へええ〜。
シェフ
りかさんとは長いつきあいだけど、
あんなの、はじめてみたわー。
りか
とまらなくなっちゃったのよー。
そういう感じ、子どものころになかった?
‥‥すごく恥ずかしい!
あやや
でも、うらやましい。
りか
え、そう?
あやや
それ、すっごい気持ちよかったでしょ。
りか
‥‥そうかも。
あやや
気持ちいいですよ。
りか
うん、そういうこと何年もなかったから。
スガノ
何年もないのに、すごいですね。
甲野
すごいです。
あやや
いいなあ、りかさんは、
そういう体験ができて。
りか
ふふふ。
あやや
ほかのみんなは?
山下
え?
あやや
みんなも泣いちゃったんでしょ?
りかさんほどじゃなくても。
シェフ
そうですね。
でもぼく、原作では泣いてないんです。
スガノ
あ、それわたしも。
シェフ
いい絵本、すごい話だなあと思ったから、
周囲にもすすめたんだけど、
絵本では、目から水は出なかったです。
りか
あら、そうなの?
甲野
へえ。
スガノ
そうなのよ。
山下
ぼくもそのクチでした。
あやや
え? じゃあ、なんでなんで?
どの場面でみんなは「目から水」だったの?
(つづきます!)
2009-06-19-FRI
協力/角川書店、
2009「いけちゃんとぼく」製作委員

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今回の感激団メンバー
シェフ スガノ りか
あやや" 甲野 山下

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