糸井 |
いま、川相さんは、
中日の2軍監督を辞めた直後で、
要するに、無所属、ということですよね。 |
川相 |
そうです。 |
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糸井 |
そんなあやうい時期に赤坂さんが、
「川相に会いませんか!」ということで
じつに貴重な場をセッティングしてくださって。 |
赤坂 |
はははは。 |
糸井 |
ま、発言なんかにも、いろいろと
気を遣う時期だろうとも思いますが。 |
川相 |
いや、ぜんぜんかまわないです。 |
糸井 |
そうですか。
いや、ぼくらのほうが気を遣うかな(笑)。
なにしろ、こんな時期なんで。 |
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川相 |
でもまあ、逆にこのほうが
いいんじゃないですか。
どこかに所属していると
しゃべれないこともありますから。 |
糸井 |
ああ、なるほどねえ。 |
赤坂 |
いまは完全に無所属ですもんね。 |
糸井 |
すごいですよね!
その立場になったことないでしょう? |
川相 |
そうですね、こんな暇な時間を過ごしたのは
プロ野球入ってはじめてかもわからないですね。 |
糸井 |
や、そうですよね、きっと。 |
赤坂 |
一回もないですよね。 |
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川相 |
はい。 |
糸井 |
さらに言えば、もっと、
プロに入る前からもないんじゃない? |
川相 |
あー、ないですね。
高校時代からほとんどこんな、
ゆっくりと過ごすようなことは‥‥。 |
糸井 |
ようするに
「わたしは今日、することがある」という
人生を送ってきたわけですよね。 |
川相 |
はい。 |
糸井 |
いまは、なんでもいいんですよね。 |
川相 |
そうですね。
だから家の片づけをしてます。
毎日、忙しくて(笑)。 |
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赤坂 |
単身赴任だったから。 |
糸井 |
あ、そうか、そうか(笑)。 |
川相 |
そうなんです。
名古屋の家と、戻ってくる川崎の家を
片づけなくちゃいけないんで。
偶然にも、高校大学と寮に入っていた長男が
同じタイミングで帰ってくるんですよ。
なので、まあ、家がたいへんです。 |
糸井 |
そうですか。
いや、じゃあ、まぁ、
訊きづらいことから先に片づけておきますけど、
中日の二軍監督を1年でお辞めになりました。 |
川相 |
はい。 |
糸井 |
あの、ご勇退なさったわけじゃないんですよね。 |
川相 |
いや、違いますね。 |
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糸井 |
違いますよね。
やる気はあったんですよね。 |
川相 |
や、もちろんありました。
まあ、あの、かんたんにいえば、クビですね。 |
糸井 |
そういうこともあり得ることだと
想像してたんですか。 |
川相 |
いや、今年とは思ってなかったですけど。 |
糸井 |
ああ、そうですか。
そもそも二軍の監督をやることになったのは、
川相さんの希望ではなく、
球団からの要請を受けてのことなんですよね。 |
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川相 |
そうですね。 |
糸井 |
自分が二軍監督になるっていうのは
想像してました? |
川相 |
いや、想像してなかったんですが、
記者のみなさんのあいだで
けっこうウワサが出ていて。 |
糸井 |
(赤坂さんを見ながら)
こういう人とかが。 |
赤坂 |
(笑) |
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川相 |
赤坂さんからは
言われなかったですけど(笑)、
まぁ、ちょこちょこそういう話を
もってくる記者がいて。
「じつは球団のほうで
二軍監督っていう話が出てるんですけど、
聞かれてますか?」っていうふうに。 |
糸井 |
ああ、ほんとにそうやって
はっきりウワサが出回るもんなんですね。
じゃ、正式な通達よりも先に、そっちで。 |
川相 |
ええ。
それは、今回のクビの件もいっしょです。
今回も新聞記者からぼくは聞いたので。 |
糸井 |
なるほど、なるほど。 |
川相 |
球団へ行く前日だったんですけど、
新聞記者から電話がかかってきて、
「球団の取材で、そういう話が
出てるんですけど、ご存じですか?」って。
いや、ぼくは直接聞いてません、と。
そう答えながらも、まぁ、
おそらくそうなんだろうな、と(笑)。 |
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糸井 |
いまだから笑っておっしゃってますけど
ほんとうは、けっこう、
穏やかじゃいられないことですよね。 |
川相 |
いやあー、もちろんそうですよね。 |
糸井 |
その、ぼくは、自分で、
「どこのチームの贔屓でもありません」
とは、言いにくい身なんですが‥‥。 |
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赤坂 |
ははははは。 |
糸井 |
ですから、
川相さんが前にいたチームを
去ったときのことを、
つまり巨人から出て行ったときのことを
よく覚えてるんですが、あのときも、
そんなようなことじゃなかったですか? |
川相 |
うーーーーん。 |
糸井 |
まず、選手としては引退してくれと
球団から言われ‥‥。 |
川相 |
そうですね。
その後は、まぁ、あの、自ら、
最終的には、ぼくが自ら、
飛び出した形ですから‥‥。 |
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糸井 |
順番的には、どうだったんです? |
川相 |
そうですね。
まず、あのときは──。
(続きます) |
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