むかしの暦で、いまを楽しむ。 旧暦と暮らす「ほぼ日」の12か月。
2007-01-12-FRI
旧暦:十一月二十四日
沖縄ではいまだ旧暦が現役。


ほぼ日 沖縄の話といえば、この連載をしていく中で、
沖縄の人からのメールが多かったんです。
糸井 ええ、ものすごく多かったです。
ほぼ日 「沖縄は、旧暦が現役で使われています」
という内容です。
近松 沖縄、実生活、つまり、
年中行事なんかは旧暦でやっているんですね。
糸井 沖縄で旧暦がわからなかったら、
生活できない、と言い切ってますよ。読者は。
で、みんながそう言ってるから、
きっとそうなんでしょうね。
志の輔 お正月から、もう違いますね。
近松 中国と同じように、
旧暦のお正月でやってますんで、
「春節」といいますね。
糸井 今、「ほぼ日」で販売している商品には、
中国でつくるものと、
日本でつくるものがあるんですよ。
中国でつくることが増えてから
「ここは中国の旧暦の
 お正月が休みにこの期間なるから、
 そこを計算に入れて」
というのと、日本でつくる場合は、
「日本のお役所が休みになるから」
というので、
お正月のころ(12月〜1月)は
2度休みを計算に入れないと、
生産計画ができないんですよね。
志の輔 沖縄も同じですよね。
私は沖縄で落語のライブの話なんですが。
やろうと思ったときは、
「何月でもいいじゃないの」とか、
「何日でもいいから、
 ホールの空いてるところを探してくれ」
って言うと、向こうのスタッフは、
「ここお正月なんです」とか、
「ここはいわゆるお盆なので」、
なんていって、
そんなライブどころの騒ぎじゃない、
っていう感じだったんですよね。
年中行事をすごい大切にしているってことが、
まず違ったんだけど、
しかもそれが旧暦だっていうんだよ。
旧暦が生活きちんとしみ込んでるんですよね。
でも、ためしに、
今日は旧暦の何月何日だというのを、
沖縄のスタッフに
電話して聞いたことがあったんです。
落語の枕に使おうと思って。
そしたら、さすがに、
それはわからないそうですよ。
糸井 そういうことじゃないんだ。
志の輔 「カレンダー見ればわかりますけど、えっと……」
みたいなことはあるんですけど。
近松 おそらくね、沖縄で売られているカレンダーには、
きちんと旧暦も併記されているんだとおもいますよ。
さらにそこに、「旧暦でいう正月」
ということもきちんと書かれているんでしょう。
それで、行事ごとのほうは、
旧暦にのっとってやる、ということが
多いのでしょうね。
糸井 ところで、先生の頭の中には
新暦と旧暦の日付が両方あるんですか。
近松 いや、ありませんね。(笑)
糸井 外国語覚えた人のように、
たとえばフランス語を習ってる最中は、
「あ、これ、海だからメールだな」
みたいなことを考えてみたりしますよね?
そういう風に、
新暦と旧暦を行ったり来たりさせてるんですか?
近松 日常生活の中では、ほとんど旧暦を使ってませんから、
こういうような話をする時に、
ちょっと頭の中を変換する、という程度で、
そんなに頻繁に「旧暦の人」にはなりませんね。
旧暦の人で、実生活をすると、
なまじ言葉が同じだけに、
ただただ混乱してしまうだけですよ。(笑)。
沖縄の人も、そうだと思いますよ。
だから、カレンダーにはあるけど、
旧暦の日付が頭にはいってるわけではない、
ということでしょうかね。
糸井 いわば、共存している、
ということですね。
沖縄にはカレンダーが二つある、
っていう風に感じますね。
近松 そうなりますね。
旧暦と新暦を併用している、という。
それは、とても日本らしいのではないでしょうか?

(続きます。)

イラストレーター:玉井升一
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