ほぼ日 |
沖縄の話といえば、この連載をしていく中で、
沖縄の人からのメールが多かったんです。 |
糸井 |
ええ、ものすごく多かったです。 |
ほぼ日 |
「沖縄は、旧暦が現役で使われています」
という内容です。 |
近松 |
沖縄、実生活、つまり、
年中行事なんかは旧暦でやっているんですね。 |
糸井 |
沖縄で旧暦がわからなかったら、
生活できない、と言い切ってますよ。読者は。
で、みんながそう言ってるから、
きっとそうなんでしょうね。 |
志の輔 |
お正月から、もう違いますね。 |
近松 |
中国と同じように、
旧暦のお正月でやってますんで、
「春節」といいますね。 |
糸井 |
今、「ほぼ日」で販売している商品には、
中国でつくるものと、
日本でつくるものがあるんですよ。
中国でつくることが増えてから
「ここは中国の旧暦の
お正月が休みにこの期間なるから、
そこを計算に入れて」
というのと、日本でつくる場合は、
「日本のお役所が休みになるから」
というので、
お正月のころ(12月〜1月)は
2度休みを計算に入れないと、
生産計画ができないんですよね。 |
志の輔 |
沖縄も同じですよね。
私は沖縄で落語のライブの話なんですが。
やろうと思ったときは、
「何月でもいいじゃないの」とか、
「何日でもいいから、
ホールの空いてるところを探してくれ」
って言うと、向こうのスタッフは、
「ここお正月なんです」とか、
「ここはいわゆるお盆なので」、
なんていって、
そんなライブどころの騒ぎじゃない、
っていう感じだったんですよね。
年中行事をすごい大切にしているってことが、
まず違ったんだけど、
しかもそれが旧暦だっていうんだよ。
旧暦が生活きちんとしみ込んでるんですよね。
でも、ためしに、
今日は旧暦の何月何日だというのを、
沖縄のスタッフに
電話して聞いたことがあったんです。
落語の枕に使おうと思って。
そしたら、さすがに、
それはわからないそうですよ。 |
糸井 |
そういうことじゃないんだ。 |
志の輔 |
「カレンダー見ればわかりますけど、えっと……」
みたいなことはあるんですけど。 |
近松 |
おそらくね、沖縄で売られているカレンダーには、
きちんと旧暦も併記されているんだとおもいますよ。
さらにそこに、「旧暦でいう正月」
ということもきちんと書かれているんでしょう。
それで、行事ごとのほうは、
旧暦にのっとってやる、ということが
多いのでしょうね。 |
糸井 |
ところで、先生の頭の中には
新暦と旧暦の日付が両方あるんですか。 |
近松 |
いや、ありませんね。(笑) |
糸井 |
外国語覚えた人のように、
たとえばフランス語を習ってる最中は、
「あ、これ、海だからメールだな」
みたいなことを考えてみたりしますよね?
そういう風に、
新暦と旧暦を行ったり来たりさせてるんですか? |
近松 |
日常生活の中では、ほとんど旧暦を使ってませんから、
こういうような話をする時に、
ちょっと頭の中を変換する、という程度で、
そんなに頻繁に「旧暦の人」にはなりませんね。
旧暦の人で、実生活をすると、
なまじ言葉が同じだけに、
ただただ混乱してしまうだけですよ。(笑)。
沖縄の人も、そうだと思いますよ。
だから、カレンダーにはあるけど、
旧暦の日付が頭にはいってるわけではない、
ということでしょうかね。 |
|
糸井 |
いわば、共存している、
ということですね。
沖縄にはカレンダーが二つある、
っていう風に感じますね。 |
近松 |
そうなりますね。
旧暦と新暦を併用している、という。
それは、とても日本らしいのではないでしょうか? |