30年近く前に飼っていた、柴犬のアン。
昔のことなので、散歩は連れ歩くのではなく、
鎖を外して放し飼いというやり方でした。
鎖を離すと矢のように田んぼの向こうへ飛んでゆき、
ボスである父が頃合いを見計らって口笛を吹くと、
どこからでも飛んで戻ってきました。
鋭く遠く響くその口笛は
子どもにはとても真似できるものではなく、
口笛から程なく聞こえてくる足音に、
父をうらやましく思ったものです。
しかし姿や仕草より、
足音がいちばん記憶に残っているというのも、
不思議なものですね。
もらってきた日は
ひと晩中鳴いて家族を寝かせてくれなかったのも、
いまではいい思い出。
あの頃の自分たちに、フィラリアに対する
ちゃんとした知識があったら、
もっと長生きさせてあげられたかなぁなんて、
6年余りという連れ添った時間を
振り返って思います。
(Ring)
買えないんですか?
(つづきます)
2015-03-20-FRI