どのくらいの頻度で店頭に立ってるんですか?
いまでも1週間に
2、3度はふつうに立ってますね。
ふつうに?
ふつうに。
いわゆるデパートとかの店頭で?
ええ。
ただ同じデパートで1週間ぶっ続けっていうのは
なかなか時間が取れないので無理なんですけど。
それでもこのまえは
新潟の伊勢丹に4日ほど行きましたし、
1週間まえは鹿児島の山形屋に行ってました。
そういうデパートの場合、今回の手帳みたいに
「物を売る」のが目的じゃないケースって
増えているんですか?
いえいえ、全部もう「売る」のが目的です。
はぁー、その軸は変わらないんですね。
まったく変わらないですね。
店頭販売以外にテレビショッピングの仕事も
受けてますが、
テレビショッピングだって「物を売る」でしょ?
それ以外の営業って一切してないんですよ。
じゃあ、今回のこの手帳のお話っていうのは
岡田さんの「物好きの成分」で
引き受けていただいたわけですね。
そうですね(笑)。
だから最初はロフトさんからお話を
お電話でいただいたときに
「もう、やめようよ。無理だって」って(笑)。
あ、お断りされたそうですね。
いやぁ、引き受けていただいて
ありがとうございます(笑)。
(笑)。
店頭に立ったときって
何個売ったとかっていう成果は
目標になったりするんですか?
いやいや、ないですね。
それは結果ですから、数なんかを気にしてたら
ドキドキしちゃって
もう僕ら明日生きていけませんよ(笑)。
あ、そうなんだぁ。
たとえば、僕が三越の店頭で
朝から晩まで一生懸命やって
ピーラーを100個売ったとしますね。
くたびれてしゃがみこみながら
「おぉ、今日はよく売れたよ。
100個売れたよ」と。
でも100個売れたところで40万円ですよ。
うんうん。
同じ時間にうちの事務所の若いのが、
30分ずつ1日に4回テレビショッピングに
出たとします。
これで、だいたい、
6800万円くらい売り上げることがあるんです。
僕の弟子が2時間で6800万円で、
僕が1日中で40万円。
じゃあ僕は弟子に負けているのか?
そんな数は比較できる数字じゃないと。
それはまたぜんぜん別の話なんですよ。
うわぁ、愉快だなぁ(笑)。
そりゃ事務所的にはね6800万円のほうが
だんぜんうれしいですよ。
もう、俺の40万の売り上げを
全部おごってもいい(笑)。
(笑)。
さっきも大工の話しましたけど、
本当に大工仕事みたいですね。
そうそうそう、ホントそうですよ。
超高層ビルを建てようが、
誰かの民家を建てようが、
俺の腕のほうがいいっていう部分って
すごくよくわかります。
岡田さんからはそういうおもしろさが
にじみ出てるんですよ。
なんだろう、このおもしろさって。
育ちとかそういう部分が
大きく関係しているんじゃないかと
思うんですよね。
まぁ、そうですね。
そういうのも入ってますよ。
なんでも「どうでもいいや」って
思える育ち、とでも言うんですかね。
ひどいもんですわ(笑)。
(笑)。
(続きます)
2008-12-19-FRI
(C)Hobo Nikkan Itoi Shinbun