
南伸坊さんと糸井重里が
あちこちを小旅行しながら、
めくるめく雑談をくりひろげる、
そこそこ人気のシリーズ、黄昏。
思えばずいぶん久しぶりの新作です。
奈良に居を移したゲージツ家、
「クマ」こと篠原勝之さんと話します。
それぞれが二十代のころから
とっくに雑談し合ってる3人、
はたしてどこまで行くのやら。
どうぞ、のんびりおつき合いください。
必然、「老いと死」についても語ります。
糸井重里(いといしげさと)
コピーライター
株式会社ほぼ日会長
雑談オールラウンダー。
ダジャレもシモもどんどん行く。
タコの話なども得意。
南伸坊(みなみしんぼう)
イラストレーター
エッセイスト
蓄積した雑学から雑談を展開。
さまざまなモノマネ経験あり。
タコの話なども得意。
篠原勝之(しのはらかつゆき)
ゲージツ家
作家
鉄や土の作品をつくる一方、
文筆家としても活躍し、
泉鏡花文学賞を受賞する。
過去のエピソード豊富。
- 篠原
- じゃあ、茶をな。
- 糸井
- 点てるんですか?
- 篠原
- うん。茶碗を‥‥。
- 糸井
- おお、華やかな茶碗だね。
またちょっと違う感じになったね。
- 篠原
- 俺が焼いたんだよ。
いま茶碗やってるってのは知ってる?
- 糸井
- 知ってるよ(笑)。
俺、買ったじゃん、一個。
- 篠原
- あ、そうだっけ?
いや、その節は、お買い上げいただき‥‥。
- 南
- はっはっはっ。
- 糸井
- そのころとまた違ってきたなと思ってさ。
- 篠原
- 同じことやってるとなぁ、飽きるだよ。
- 糸井
- ああー、なるほどね。
- 篠原
- これも俺がつくった。
- 南
- へー、茶杓も。
- 篠原
- うん。じゃあ、まず俺が一杯、点てるから。
これをな。
- 糸井
- これをな。
- 篠原
- 俺がな。
- 糸井
- 俺がな。
- 篠原
- こうして‥‥。
- 糸井
- 2杯入れたね。
- 篠原
- お湯をこうしてな‥‥もうちょいかな‥‥。
(シャカシャカシャカ‥‥)
- 糸井
- 慣れた手つきだね。
- 篠原
- じゃあ、はい、あんたらにも茶碗を。
- 糸井
- ん? お前らもやれ、っていう意味かな。
- 南
- うん、やりますよ。
- 篠原
- じゃあ、抹茶を、こう、な。
- 糸井
- 2杯、半。
- 南
- 入れるのはやってくれるのね。
- 篠原
- ここまでは俺がやる。
いっぱい取られると困るから。
- 南
- ははははは。
- 糸井
- しっかりした茶屋だね(笑)。
- 篠原
- 今日は遠くから来たから、あんたらね、
ちょっと余分に入れておいたよ。
- 糸井
- 濃い目。
- 南
- こっちも入った。
- 篠原
- じゃ、あと、自分でやんなさい。
- 糸井
- 伸坊、お先にどうぞ。
- 南
- はい。お湯はどのくらい?
- 篠原
- 好きでいい。
あんまり入れるとね、泡立たねぇからな。
- 南
- こんなもん?
- 篠原
- こんなもんだな。
- 南
- それじゃ。
(シャカシャカシャカ‥‥)
- 糸井
- 伸坊はこういうの上手だね、やっぱりね。
- 篠原
- こりゃ、うめえや。
- 糸井
- お菓子もおいしそうだね。
- 篠原
- 食ってくれ。
ちいさいから、2個ぐらい食ったほうがいい。
- 糸井
- 俺、さっきメロンパン食ったからさ。
- 篠原
- じゃあ1個でいいか。
- 糸井
- 1個でいい。いつもなら2個行く。
- 篠原
- じゃあ、あんた1個にしなさい。
- 南
- なかなか泡が立たないな。
もうちょっとかき回すか。
- 篠原
- 立ってやったほうが回しやすいぞ。
- 南
- じゃあ、立ち上がって‥‥。
(シャカシャカシャカシャカ!)
- 一同
- (笑)
- 篠原
- 真剣だな。
- 糸井
- 顔が、小林旭みたいになってきたよ。
- 南
- (小林旭の顔で、シャカシャカシャカシャカ!)
- 篠原
- 小林旭だ(笑)。
- 南
- いちおうね、やれってことかなぁと思って。
- 篠原
- でも糸井はね、自分で言っといて無視した。
- 南
- ひどいよね(笑)。
- 糸井
- ごめん、ごめん(笑)。
(文字だけで伝わったかしら。つづきます)
2026-03-05-THU
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写真・山口靖雄(MountainDonuts)
これまでの「黄昏」シリーズ
黄昏
黄昏放談
黄昏 日光・東北編
黄昏 あちこち編
黄昏 スカート編
黄昏 ブータン編






