鈴木

このドクダミの写真はいいですね。

△縦に伸びるドクダミが珍しくて。（撮影：安木）

安木

どこがいいですか？

鈴木

これは光が理想的なんです。
手前に光が当たってますよね。
そして、奥側が影になっているんです。

メロン

自分の影が写真に入ってしまうときがありますよね？
この写真のように、強めの日差しの中で撮影したときに
スマホの影ができちゃうことがあるんですが、
どうしたらいいですか？

△影が入り込んだムラサキカタバミ。（撮影：安木）

かご

お花が可愛いと思って撮ったのがこの写真です。
これはどうですか？
もっとうまく撮る方法がありそうです。

△イワダレソウの花。（撮影：かご）

鈴木

こういう写真は難しいですね。
なにを一番撮りたかったですか？

かご

花の形の面白さを撮りたかったのと、
こんなにかわいい花がたくさんあることも
撮りたかったです。

鈴木

花の形の面白さを撮りたかったとしたら、
単純に１つの花をアップして撮るほうがいいと思う。

花がいっぱいあることを撮るのは難しいんですよ。
どこにピントを合わせるかが大事になるんですけど、
ピントは「面」でしか合わないから
全部の花にピントを合わせるのは不可能なんです。

かご

ピントは平面で合うけど、
花は平面で咲いてないのでピントを合わせるのが
難しいのか‥‥。

鈴木

そうなんです。
どれにピントを合わせて主役にするかを
明確にしなきゃいけないところが難しいけれど、
強いて言えば、
真ん中にいる花を主役にしてあげるのがいいと思う。

マンネングサが集まっている写真は
上手に撮れていると思いました。

かご

これかな？

△登山の途中でとったマンネングサ。（撮影：かご）

鈴木

これです。これは上手。
これは花がいっぱいあるのがわかるし、
目立つ花にちゃんとピントが合ってる。

要するに、
全部にピントを合わせるのは不可能なときに
どう考えるかというと、
周りの花はボケていても写っていたほうがよい。
ただし、
目立つところにピントが合ってる花があるのがよい、
ということだと思います。

この花が効いてますよね。
ここにピントがあっていることで
「あ、これはおしべが赤いね！ 」というディテールが
ばっちりわかる。

全員

うんうん。

鈴木

花が集まっているような群生の花を撮るときは、
花同士が重なり合っちゃうんですよ。
でもなぜかこの花は重なってないですよね。
これがかなりよい。よく撮れてるなぁと思ってます。

かご

うれしいです。
図らずも、いい写真が撮れていた（笑）。

メロンさんが、
群生の写真がうまく撮れないって言ってましたよね。
それも同じですか？

△暗い＆密集がうまく撮れない。（撮影：メロン）

メロン

ランが密集しているのですが、
夜だし、ぼけまくっています。

鈴木

こういうのは本当に難しい。
要するに全部にピント合わせるのは
あきらめなきゃいけないけれども、
密集しているところを撮りたかったわけですよね。

メロン

そうです。

鈴木

そうなると、基本的な方法としてはランを真横から撮る。
でも横から撮るとランが後ろにどれくらいあるのか、
わかりにくくなっちゃう。

大量にあるというのを言いたいなら、
これがたぶんいい角度。
角度はいいけど、
ピントをどこに合わせるのかという問題がでてきますね。

これも基本に戻るなら、
ピントは手前に合わせる。

メロン

ああ、それがよさそうですね。

鈴木

手前にピントを合わせて後ろをボケさせるっていうのが、
いいと思う。

でもそうすると画面上の、手前のところが
窮屈な感じになるんで、
たぶんちょっと引いて撮るとよかったですね。

メロン

ピントを手前にして、
ちょっと引いて撮影したらよかったんだ。

長いものの撮影も難しいなと思っています。
この写真は、中央の手前にのびてる茎と葉っぱを
撮りたかったんですけど、
どうしたらよかったでしょうか？

△長い茎が伸びていて、中央の先がボケている。長いのはうまく撮れない。（撮影：メロン）

かご

「撮りたいものが多すぎて、
なにを撮ったか忘れてしまう」という悩みもあります。

△撮りたいものが多すぎて、結局なにを撮ったかわすれてしまう。（撮影：もも）

鈴木

これはコメントが難しいですね。

かご

というと？

鈴木

撮りたいものが多すぎるっていうときは、
強いて言うならその中でも何を撮りたかったのかが
大事です。

いろんなものが写ってるのがきれいと思ったのなら、
必ずしも全部にピントを合わせる必要もない。
見せたいところにピント合わせて、
他はちょっとボケるようにする。
ストーリーを作ってあげる感じです。
漫然と撮らないようにするだけで相当変わると思います。

だから撮りたいものが多いといっても
その中で何が撮りたいのか、
明確にして撮影するといいですね。

かご

冒頭の、人が何を撮りたいかということが
大事という話に戻ってきましたね。

鈴木

撮りたいものが多いときは、
撮影ボタンを押す前に
少しでいいので考えるといいと思います。

かご

漫然と撮影せずに一回立ち止まって考えてから
撮影する。
わかりました。
めっちゃ勉強になります。

なっつ・メロン

雑草の写真、奥深い‥‥！

かご

奥深いですね。
こんなところで、
撮影のポイントをおさらいしてみましょう。

鈴木

超基本的なことも含めて
８つのポイントを抑えて撮影してみてください。

全員

はい！