── 新しいパッケージを見せていただいたとき、
角星の奥さまが
まるで、女学生かのようになってしまって。


△ 新しくなった「NAMIとUMI」
田中 見た瞬間に「キャーキャー!」と
かなり興奮してらっしゃいましたよね(笑)。
── 社長のほうも「おおっ!」と息をのみつつ、
冷静な感じを装いながら
当初「1樽」だった仕込みを
静かに「2樽」へと倍増しておられました。
田中 それはつまり
「3000本」が「6000本」になったと、
そういう単位の増量です。
植原 すごいですね‥‥。
渡邊 わあ、だいじょうぶかな(笑)。
── ちなみに、パッケージのすばらしさは
ごらんのとおりなのですが
もうひとつ、奥さまが深く感動していたのは
高崎さんが書かれた「物語」でした。

△ パッケージの側面にある
高崎さんが書かれた「NAMIとUMI」の物語


高崎 いやいや。
── なぜ、日本酒のパッケージに
まるで「小説のはじまり」みたいな文章を?
高崎 ‥‥なんででしたっけ。
一同 (笑)
植原 ‥‥たしか、もともと
「パッケージには顔があったらいいね」
みたいな
アイディアからはじまったんですよね。
渡邊 うん、そうそう。
植原 で、良重さんが描いたイラストを
置いてみたら、すごくかわいかったんです。

で、それを高崎さんに見せたら、
ひとつの物語にして返してくれたんですよ。
高崎 お、思い出してきた(笑)。
── 女の子は「ふたり」だったんですか、
はじめから?



パッケージには左が「NAMI」バージョンと

右の「UMI」バージョンの2つのタイプがあります。

渡邊 そうですね。
── それは‥‥。
渡邊 別に双子にしようとかって
そういうわけじゃなかったんですけど‥‥
なぜかふたり、いたんです。
植原 そこは、そういう流れだったんですよね。

ふたりいる、というところで
みんなの呼吸がピッタリ合ったというか。
── その「女の子ふたり」のイラストを受けて
高崎さんが、物語を書かれた。
高崎 日本酒に「女の子の顔」というのが
まず、すごくおもしろいと思ったんです。

でも、単にかわいいだけじゃなく、
角星さんと、ぼくら作り手の側が「作った意味」を
きちんと残したいなと思いました。

そのとき、ぼくがやるとするなら
やっぱり「言葉」しかなかったんですよね。
── 女の子の名前は「NAMI」と「UMI」に。
高崎 はい。

「波と海」ですから、ネーミングとしては
ちょっとチャレンジングかなと思ったんですけど、
最終的に、そのふたつが残りました。
田中 でも「やはり、この名前で行こう」という決断が
わりとスムーズにできたのも
ここにいるメンバーで気仙沼に行っていたことが
すごく大きかったと思います。
植原 うん、そうですね。
高崎 みんなが「同じ風景」を見ていたから
「あの場所にたいして、何ができるだろう」って
ハッキリしていたんです。

だから、足並みを揃えやすかったというか。


△ 2012年8月にチームで気仙沼に行ったときの様子

── なるほど。
田中 たしか、あのとき、みんなで
「気仙沼から
 世界に輸出されるような日本酒になったら
 いいなあ」って話してたんです。
── あ、だから「ローマ字」だったりとか?
田中 そういう意味合いも、あったと思います。

「純米吟醸」という言葉を
「Pure Rice Premium Brew Sake」と
英訳して表記していますし。
── じゃあ、そのときの気仙沼訪問が
「NAMI」と「UMI」の
コンセプトを生み出す準備運動のように
なったというわけですね。
田中 そうですね、あの8月の気仙沼訪問が、
まずは、よかったんでしょう。
高崎 ひとつひとつの「ピース」が
埋まっていったという感覚がありました。
── キギのおふたりは、
高崎さんの物語をお読みになったときに
どう思われました?
植原 おどろきましたね。

いや、おどろいたというのは、つまり、
あの短い文章を読んだら
すごく、気持ちが動かされたというか。

文章を読んで
そういう経験をしたことなかったので、
そういう意味で、びっくりして。
渡邊 あとね、泣けるんですよ。
── 若い女の子の、恋のお話。
植原 あれ、どうやって出てきたんですか?
高崎 なんか、絵を見てたら。
── 角星の奧さまが
「あのお話の続きが読みたいんです!」
って、
会うたびにおっしゃってます(笑)。
高崎 いやあ‥‥そうですねぇ(笑)。
田中 でも、話の続きなのか、別の話なのか、
パッケージの物語が
毎年ちがうって、おもしろいですよね。
── そうなったら、ほんとにすごいです。
高崎 まあ、来年どうなるのかはわかりませんが、
ありがとうございます(笑)。
渡邊 あの、はじめて角星さんとお会いしたとき
お酒じたいも女性向けですし
やっぱり、
この奥さんがよろこぶものを
つくりたいなあって思ったんです、わたし。
植原 あ、そうだね。
高崎 うん、うん。
植原 もう、ワクワクしてくださってるのが
あきらかにわかるんですよ(笑)。
── 全身で表現なさってますものね(笑)。
渡邊 気仙沼を回っているときも、
車の中で、いろいろ話をしてくださって。
── はい。
渡邊 とにかく、このかわいらしい
奧さんによろこんでもらえるものをって、
そう、思ったんです。


 
△ 第一回目の打ち合わせの様子(2012年8月



<つづきます>
2013-09-19-THU

 




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