「きょうは冨田さんの試行錯誤を 　たくさん見せてもらう予定です！」
	「おまかせください‥‥って、 　もう、錯誤だらけです〜」
	「わたし、とみさんの写真、 　かなりスキですよー」
	「果敢に前に出て行くかんじ、 　かっこいいじゃないですか」
	「とみちゃんのは、その３、その４でも 　話題になりましたね。 　きょうはさらに、くわしく！」

	猫ちゃんなんですけど、 可愛く撮れなくって。
	ん‥‥、これはカメラが動いてますね。 毎回こういうふうになっちゃうのかな。
	このときは何枚も撮って、 家の中をおっかけておっかけて、 一枚だけ、うまく撮れました。
	冨ちゃんのは対比があるんですね。
	そう、いろいろチャレンジをしながら、 だめになった後、反省をして。 ほんとはこのぐらい 可愛い猫ちゃんだったんです。 で、最後は畳の上にカメラをぎゅうっと 固定して、撮ったら、 その写真がうつりました。
	そうですね、最初は、手持ちで、 ブレたんですね。 冨田さんはＧＲで、広角レンズのカメラだから、 近づきすぎると、ゆがんで写っちゃいますよね。
	顔の真ん中に近づけすぎると ちょっとヒラメ顔になっちゃうというか。
	結果的にいい写真が撮れた！　って、 思えたんだったら、それでいいですよ。 試行錯誤ができるっていうのは、 デジカメのいいところですもん。 フイルムの時代だったら、 １枚だけで終わっちゃったかもしれない。
	確認できないから。 ‥‥とみちゃん、この写真はなに？
	それは、可愛い置物があったので、 撮りたいなぁって。 可愛いでしょ。
	‥‥可愛い？
	可愛くない？ ほんとはもっとね、可愛いんですー。
	ちょっと怖い。
	いのしし？
	ぶた？
	そもそもまつがってるよ。
	でね、これはどうしても うまく撮り直せなかったんです。 ほら。
	うーん。
	うーん‥‥（少し間）‥‥、 微妙ですねえ‥‥。
	あ、珍しい、菅原さんが答えを出せない（笑）。
	初です。
	でもこれ、先ず、「マクロモード」に なってなかったんじゃないかな。
	あ、なってないと思います。
	近くのものを撮る、 チューリップマークのモードですね。
	手ブレだけでなく、 ピントが、奥に行ってますもんね。
	あ、あ、そうか。
	あと、アングルが良くなかったんでしょうね。 広角のときって、わりと 正攻法がいいかもしれないです。 真っ正面とか、真横とかね。
	あ、斜めじゃなくて？
	広角レンズで、こういうものを 寄って撮ると、ゆがんじゃうんです。 だったら、いっそ、真っ正面。 そうすると、たぶん、 ゆがみも、迫力という効果になると思いますよ。 それから冨田さん。
	ハイッ。
	「撮ろうとしてる」んでしょうね。 だから上手くいってないような 気がするんですよね。
	は、はい？
	気持ちの問題で、 ちょっとこう引き気味というか、 人間が物理的に引くっていうよりも 気持ちが受け止めるっていう 言い方の方が正しいかもしれないですね。
	ということは、前回褒めていただいた わたしが大好きな、この写真は、 これは、わたしが、受け止めているのかしら。
	はい、はい。 そういうことです。
	寄っていっているというよりは、 じっさいに向こうから来たんだものね。
	そうです。 「撮ってー！」って、 来てくれたんです。 わたし、それがうれしくって！
	はい、それです。そういうことです。 そういうときにはこれ、 広角であることがかえって、 プラスになってるわけです。
	そうか、そのゆがみも、 魅力になってるんだ。
	わけのわからない後ろの状況が 写り込んでいるのも、 このカメラのよさなわけです。 妙にムーディーに背景がぼけているより、 左に手が写ってたりするのも、 とってもいいわけです。
	そうか、後ろを気にする余裕がないくらい この子がとみちゃんに向かってきて、 それを受け止めるのにせいいっぱい、 っていう写真なんですね、これは。
	よかったです。 あとは、わたしの悩みの 「全体がゆがむ」なんですけど‥‥。
	いいじゃないですか、別に。
	（笑）前にも同じこと言われてますよ。
	広角レンズは、こういうことが よけい強調されるしね。
	あ（笑）。 じゃあ、せめてブレないようにしたいです。 それはどうすればいいですか。
	壁に貼り付くとか、 三脚がわりに、どっかに乗せるとか。 あと、ブレそうだったら、 感度、ISOの数値を、上げてみるとか。 それで解決しちゃいますよ。
	はいっ。
	大した問題ではないですよ。
	よかった。
	よかった！
（つづきます！）