その30 15年目の「今日の空」。その30 15年目の「今日の空」。

早いもので、「今日の空」として、
その日の空を撮影して、
自身のサイトにアップロード、という作業も
今年で15年目になります。
毎日、一日も欠かさずにやってきました。

今でこそ、写真を撮ってアップロードすることは
きわめて当たり前のこととなりましたが、
始めた2002年当時は、
まだまだ普通のことではありませんでしたし、
簡単でもありませんでした。
デジタルカメラで撮影した写真をPCに取り込んで、
DTPソフトを使用してページを作り、
アナログ回線の電話線を通じて、
「ピー。。。」というモデム音を聞きながら、
やっとの思いで更新していました。

最初に使用したカメラは
「FinePix1700Z」、
画素数は150万画素。現在の10分の1以下ですが、
とても美しい写りをするカメラでした。
PCは黒くて重たい「PowerBookG3」、
取材や旅に出るときは
いつでもどこでもつなげられる場所があれば
つなげられるようにと、
接続のためのコード類などを
世界中どこに行くのにも、持ち歩いていました。
じつは今でもそうなのですが、
ぼく自身、デジタルに強いタイプではありません。
本当にそれだけでも大変なことでした。

それでもこうやって、続けているのはなぜなのか。

先日、久しぶりに自身のサイトとは別に
アーカイブ用としても使用している写真共有サイト
「Flickr」にアップロードした
すべての空を見直してみると、
撮影時にその空の下でぼく自身が感じていたいろいろを
思い出すことが出来たのはもちろんのこと、
一番最初に「今日の空」を始めたきっかけが
とても大切なこととして、
毎日の写真の中にあるのがわかりました。

以前も一度お話ししたことがありますが、
この「今日の空」を始める1年前、
あるFM番組のゲスト出演しました。
その番組は、1ヶ月にわたって
毎週同じゲストが出演するかたちの番組で、
その最終週に、リスナーと共にイベントを行います。
そこでぼくは「上を向いて歩こう」というタイトルで
たまには、光がある方向でもある「空」を、
ビルの谷間からでもいいから「見てみましょう」、
というイベントを行いました。
1000人以上の応募者の中から抽選で選んだ
25名の方々と共に、
原宿の街を散歩しながら撮影をしました。
そんな皆さんが撮影した写真をその場でセレクトして、
スライドショーにしてみんなで見てみました。
そこには彼らが見た「いろいろな光」が
まさに“満ち溢れて”いました。
それは“特別な光”ではなく、“日常の光”でした。

そんな大切な“日常の光”を見逃さないように、
と始めたのが「今日の空」だったのです。

ぼくが撮る「今日の空」には、
必ず、“空”だけではなく、
ぼくたちのたわいもない日常がある
“地上”も同時に写すことにしています。
さすがにこれだけ毎日続けていると、
“光”に対しては、以前にも増して
とても敏感になっているように思います。

最初は自身のサイトのみで公開していた
「今日の空」でしたが、
最近では「Instagram」にもアップしています。
「Instagram」のお話は、
また改めてゆっくりしたいなあと思っているのですが、
いくつかのメジャーな「SNS」の中で
唯一、写真のみでコミュニケーションする
「Instagram」について、
とてもおもしろいなあと思うし、
まだまだ、そこには楽しいことがあるような気がして、
現在、手探り進行中です。

「空を見上げる」ということは、写真を撮っている限り、
おそらくずっと続けていくような気がします。
更新も当時に比べたら、
驚くほど簡単になったことですし、
何度も、もうそろそろ止めてもいいかなあと
思ったりもしてきた「今日の空」ですが、
この先も、この「日常の上に降り注ぐ
“光”としての“空”」を
撮り続けてみようかなと思った
15年目の「今日の空」でした。

ぼくの歴代の主な「空カメラ」です。

「FUJIFILM FinePix1700Z」

150万画素ながら、色のりのいい大好きなカメラでした。

「FUJIFILM FinePix4700Z」

ハニカムCCD搭載のカメラで、一気に写りが写真的になった画期的なカメラでした。

「FUJIFILM FinePix6800Z」

初めてポルシェデザインを採用するなど、またカメラとしてFinePixのひとつの完成形でもあったように思います。

「FUJIFILM 40i」

小さくなって、しかも好みの設定にしてもらったこともあって、好きなカメラでした。

「Canon Powershot S30」

とても自然な描写をするいいカメラでした。このあたりから、デジタルカメラの新しい時代が始まったような。

「Canon Powershot S50」

大好きだったSシリーズに、ブラックモデルが加わって、ますますお気に入りのカメラとなりました。

「RICHO GR digital」

2005年、当時初の「3:2」のフレームに28ミリの画角は、ぼくにとって「空カメラ」の定番となりました。2年ごとにⅡ、Ⅲ、Ⅳと続き、現在の「GR」まで、使い続けています。

「FUJIFILM X70」

「X-pro2」と共に発表されたこのカメラを、ぼくは最初「X-pro2」と共に使うつもりで使用したのですが、気が付けば「空カメラ」としても使用しています。

「iPhone」

6から、一気に写真的な写りとなったiPhone。7になってレンズも大きくなって、ますますカメラ機能が向上しています。

2016-10-20-THU