糸井 |
ファーストフード業にとっての
スピードだとか、そういう、
根幹に関わることがおろそかになる時は、
何かいろいろな理由があって
できていない状態になるもんなんでしょうね。
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原田 |
そうです。
だからそのことも絵に描いて伝えました。
基礎作りの柱を三本立てた図を描いて、
「将来の家を造っていくためには、
今、基礎をしっかりしようね」と。
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糸井 |
マクドナルドみたいに、
しっかりとその柱があるように
思われている会社でも、
そのシコが踏めなくなってる状況っていうのは、
ありうるっていうことなんですね。
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原田 |
ありますね。
だから、もう一回、基礎作りをしています。
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糸井 |
今は、着々と
できていると言っていいんですか。
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原田 |
進んでいます。
だから売りあげも回復しはじめました。
さらに柱を立てれば、
もっとブレイクスルーが起こりますから。
外食産業というのは、
二七兆円あるんですよ。
百人にひとりだけ来てくれただけでも、
二七〇〇億円ですから、
とてつもなくデカいんです。
だからヒット商品を一発売ったら、
結果はズドーンと出る。
ただし、ヒット商品を売る前に
「総合的な体験」として
すばらしいお店づくりをして
クルーをきちっと育てておけば、
いい商品が出た時に
それだけで止まらずに爆発しますから。
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糸井 |
とても悪い言い方をすれば、
失敗があった時には、それだけの規模で
一気に広がっていく、ということですね。
衛生管理みたいなこととか、
ものすごい緊張感ですよね……。
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原田 |
たとえばお客さんを獲得する時には、
ひとりのお客さんに、
たとえば一か月に何回か
来ていただくことももちろん大事ですし、
新しいお客さんに
来てもらうことも大事ですよね。
来店頻度と新規顧客獲得、このふたつに
どう経営資源を分配していくか……
これも図であらわすわけです。
ずっと値下げをしていたら
目の前のお客さんは来ます。
ところが値下げをやり続けることは
頭痛薬をずっと飲んでいると
効かなくなるのと同じなんです。
そのへんのバランスを
コントロールするのが経営で、
私はひとつの図にしました。
来店頻度と新規顧客開拓の推移……
これを見れば一目瞭然なんです。
このままやっていると
倒産してしまう可能性があると。
マクドナルドが
この一年で業績があがりましたと
新聞に出ているのは、
ここのところで見事に
ハンドルを切ることができたからなんです。
絵にして伝えたら、
文句を言う社員も少なくなりました。
私は舵取りで、向こう三年の海図は
みんなに渡してある。
甲板係も機関係も食堂係も、
こういうクルージングをしようと。
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(つづきます)
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