その特別はやはり値段も特別。
けれど富豪氏は
「この店とは長いお付き合いができそうですネ」
と、ニッコリ一言。
その理由をこう説明する。
たしかに高価ではあるけれど、
どれも十分に納得できる値段。
なにより、今日、もてなしたかった2人の女性に
失礼ではない、こうした散財をさせてくれるお店は
いいお店です。
けれど同時に、お金を使わなくても
お客様をよろこばせる術を知っている店は、もっといい店。
人の懐具合を詮索しながら、
スキあらばおねだりしてやろうと
虎視眈々のお店をワタシは好かない。
この店に、また今度、ワタシとサカキさんが
普段着でやってきたとしたら、
今日のような散財を彼らは絶対求めない。
いつもの通り。
このレストランを好きになったときのその金額で、
もてなしてくれるんでしょう。
いつも「とびきり」ばかりだと、疲れてしまう。
気持ちも財布も緊張してばかりだと、
お付き合いは長く続かない。
普段のたのしみを、
あきらめることをしなくてもいいお店って、
ステキなお店だと思いませんか?
オキニイリのレストランと
長くてよき付き合いをするということ。
そのためには、何度も何度も、行く必要がありますよね。
それは同時に、何度も何度も「行けるお店」を
選ぶ必要があるということでもある。
いろんな機会。
一種類の使い方しかできない店より、
いろんな気持ちのときに使えるお店の方がありがたい。
普段着のときにも。
ちょっと気取ったときにも使える。
おなかが空いているときにも、
おなかが空いていないときにも使えるお店も
ありがたかったりしますよね。
お客様であるボクたちからの
ちょっとしたヒントを受け取り、
そのときどきに合わせた楽しみ方を
提案してくれるお店だったりしたら最高。
お店の人たちにさりげなく、
今日の気持ちを伝えることができるお客様になれれば
もっとステキなコトでしょう。
さて来週。
こんなヒントが、「いつものレストラン」を
「今日のあなたのレストラン」に変える
ステキな呪文なんだという話。
ボクの経験、お伝えします。
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