実は「無競合であるコト」こそが、
飲食店が成功する最大のキーワードなんですね。
例えば今では日本のそこら中にある
ファミリーレストランというお店。
1970年まではどこにもなかった。
住宅街の近くにあって、車で気楽にいける店。
家族連れで快適に座れるように
ブース席やベンチチェアーが中心の居心地の良い店作り。
多彩なメニューが用意されていて、
どのメニューをたのんでも
10分くらいで出来上がってくる。
しかも、同時にたのんだ料理は
全部、一度にやってくるから
家族みんなで同時に「いただきます」って食事がはじまる。
そんなお店はそれまでどこにもなくって、
それで、爆発的にお店は増えた。
ハンバーガーのファストフードだって。
ドーナツ屋さんもフライドチキン屋さんも、
みんな競争相手がなかったからどんなところをお店を作っても
大抵、繁盛店になったのです。
たしかに、魅力的な商品やステキなサービス。
教育システムだとか、いろんなノウハウがあったから
成功の確率が高くなりはしたけれど、
当時、やる気があってちょっと頑張った人たちは
みんな繁盛店を手にできた。
今では20兆円産業と呼ばれる外食産業も、
1970年にはたった3兆円ぐらいしかなかったのです。
それがたったの20年で、7倍近く。
一時期は30兆円くらいにまで膨れ上がったコトもあって、
つまりそれだけ「競合が激しくなった」
というコトなのですネ。
だから今。
飲食店がない場所を探すことはまず不可能。
だから
「競合のない場所を探して出店しない」というコトは、
「競合の無縁な存在になりなさい」というコトでもある。
どんなに小さくてもいいから、
自分の世界で一番になるような、
そんな人生を送りなさい‥‥、
とこれから飲食業に乗り出そうとする人を
勇気づけたくもあった。
「身近な人と喧嘩しないですむ超越した存在」
になることが、お店の成功を持続させるコトでもある。
地域一番店。
外食産業の人たちは、
そういうお店のコトを愛着を込めてそう呼びます。
小さくともそのお店を愛する人にとって、なくてはならないステキなお店。
どの地域で生きていこうと決心するのか。
どの分野で一番になろうと覚悟するのか。
それが大切なのであって、その決心と覚悟を守り通せれば、
どんなに酷い場所であっても
「人から愛されワザワザやってきてくれる」
唯一無二のお店があなたのモノになるんです‥‥、
と念を押す。
それでもピンと来ない人には、
とあるレストランの話をすることにしていました。
おそろしいほど不便な場所。
けれど日本中からその店へ
ワザワザ行きたいと思わせるステキがある店。
そして一度とりこになったら、
再びいかずにはいられぬ名店。
来週、紹介いたしましょう。
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