レストランは大きく分けに2つの商品を揃えて
お客様を待つ‥‥、と言われます。
お店の人が売りたいモノ。
お客様が買いたいモノ。
お店の人が売りたいものが、
お客様が買いたいものであったとしたら、
そこにはなんの行き違いもない。
とてもシアワセなレストランであるはずなのです。
ですけれど‥‥。
大抵、お店の人の希望と、
お客様の期待が微妙に食い違う。
その食い違いを認めずに
自分の売りたいモノばかり取りそろえるお店は、
自己満足だとか、自信過剰なお店と言われて敬遠される。
職人気質でへんくつな調理人がやっている
オンリーワンのお店‥‥、
なぞとよばれるお店がそういうお店の一例。
東京のような都会で小さな店で商売をしていれば、
同じようにへんくつな人がやってきて
お店を満たしてくれるから
そこそこ繁盛しているようにみえるけれども、
それはとても特殊なシアワセ。
一方で、お客様が食べたいモノばかり
揃えるお店があったりもする。
ファミリーレストランと呼ばれるお店が
そういうお店のひとつで
そこには「特徴がないという特徴」しかなかったりする。
意思のない無記名の店。
わざわざ行ってみたいという魅力に欠ける。
お客様とお店の人との意思の疎通をはかるためのモノ。
それがメニューブックというモノ。
だからお店の人たちは一生懸命、
メニューに工夫をこらします。
|