豆を焙煎する前から、
おいしいコーヒー作りがはじまるお店。
豆を一粒、一粒。
吟味することからはじまるのです。
焙煎する前のコーヒー豆は緑色。
その色合いが揃うよう。
それだけでなく、粒の大きさも揃うように
手で豆をつまみ上げながら仕分けする。
焙煎機の中に入れて、どんなに丁寧に焙煎しても、
豆の大きさが違うと仕上がりは当然違う。
豆の若さが違えばそれも、仕上がり具合に影響する。
だから一粒、一粒、
丁寧に豆をより分け同じようなモノだけ集めて焙煎をする。
より分けた豆にふさわしいよう、
温度や時間を変えながら、
どれもが同じ状態になるよう煎っていくから、
豆の仕上がりが安定するのです。
その豆を、いつもと同じように挽く。
同じように挽いた豆を、いつもと同じ分量、
すぐにドリッパーに入れ、
いつもと同じ温度に沸かした同じ分量のお湯を注げば、
いつもと同じ味のコーヒーが入れられる。
いつも同じ味というのが、
「飲食店における」おいしいコーヒーの最低条件。
だからおいしいコーヒーを提供したいと思っている人は、
こういうお店が扱うコーヒー豆を仕入れて
営業したいと思う。
豆を仕入れるだけでなく、
それを使っておいしいコーヒーを作る方法を教わりたくて、
お店での修行を希望する人がひきもきらない。
運良くそこで修行をし、
独立をしてお店を開業した店を
何軒か訪ねたコトがあるのだけれど、
どのお店も同じ味のコーヒーを出しているかというと、
不思議とそうじゃない。
しかももっと不思議なことに、
同じような味のお店より、
違った味のお店の方が流行っていたりするのです。
さて喫茶店における「おいしいコーヒー」の
本当の意味を来週、ちょっと考えましょう。
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