サンドイッチがスパッと切れる、波刃の包丁。
もともと冷凍食品を切るために作られている包丁です。
どんなモノでもスパッと切れる。
薄いものは当然のこと、分厚いものもスパッと切れる。
固いものと柔らかいものが重なりあったモノでもスパッ。
ちょっとだけ注意しなくちゃいけないのが、
薄くスライスしたキュウリで、
それを重なり合わせて切ろうとすると
すべってサンドイッチがバラバラになる。
だからキュウリは重ねない。
ただ、切れはするけど潰れてしまって、
せっかくの柔らかさが台無しになってしまう素材がある。
玉子焼き。
オムレツ。
あるいは、たっぷり挟んだ茹でた玉子のマヨネーズあえ。
力を入れると潰れてしまう。
あるいはパンからはみ出しちゃうから、
力を入れるのでなく
パンにやさしく刃を当てて何度も小刻みに。
そっと切り目を入れてやろうとするとパンと具材がずれる。
そんな手強いサンドイッチを
どうすれば上手に切ることができますか?
って、とあるホテルのシェフに聞いてみました。
オーセンティックな英国式のバーのシェフです。
伝統的なサンドイッチを東京で食べるなら、
まずココをおいては他になしと言われるようなバーで
ずっとサンドイッチを作っている人。
必ず答えをくれるだろうと思って聞いたら、
答えはあっけないほど簡単でした。
「サカキさんが使っているナイフで
キレイに切り分けるコトができないサンドイッチは、
サンドイッチではないと思われたほうがいいでしょう。
サンドイッチは、片手でつまんで食べるもの。
具材を挟みすぎたり、具材がやわらかく
みずみずしすぎるものだと、
お皿から口に向かう途中で
具材が垂れ落ちてしまう可能性が高くなる。
それで洋服をよごしてしまったりしたら大惨事。
食べるのに注意が必要なサンドイッチは、
会話を妨げる存在。
たしかにアメリカにいくと、
山ほどのハムやローストビーフを
パンで挟んだ両手でつかんで食べなきゃいけない
サンドイッチがありますけれど、
あれはハンバーガーと同じ
『肉料理を手づかみして食べるため』に出来た料理で
わたくしが考えるサンドイッチとは
違った料理と言わざるを得ませんので‥‥」
と。
たしかにそういう考え方もあるんだろうなぁ‥‥。
レストランやオーセンティックなバーにおいて
サンドイッチはいつもスパッと切れるもの。
分厚く切れにくいサンドイッチの切り方は、
自分で考えなくちゃと試行錯誤。
で、結局これが一番だ‥‥、と思ったのが
こんな方法です。
まな板にパンを置きます。
上に具材をのっけたら
もう1枚のパンを上にのっけて蓋する前に
そのパンを切っておく。
というのも、具材たっぷりのサンドイッチが
潰れてしまう理由は
上に乗せたパンを切るため力が入ってしまうから。
パンさえ切れてくれれば
あとはすんなりナイフは下のパンまで到達。
あとは押そうが引こうが大丈夫。
サンドイッチが崩れたり潰れたりすることはない。
切れたパンを具材の上に並べて元のパンの形にしたら、
切り目の間にナイフをいれて切れば
ビックリするほどキレイに切れる。
ちなみに、トーストしたパンを使うときには
サンドイッチの内側になる面を上にして切っておく。
ナイフを当てはじめたところは欠けたり、
壊れたりしやすくて、
逆に切り終わりのところは割れたり
欠けたりすることがない。
だから裏返して切り、表(焦げ目)を上にして
具材にのっけてやる。
ならば下に敷くパンの方も
切っておいたらどうなるんだろう‥‥、
と思ってやってみたこともあるのだけれど、
そこまですると「調理」じゃなくて
「工作」みたいになっちゃうんで、
あらかじめ切っておくのは上のパンだけ。
ところで玉子をマヨネーズであえて作る
玉子サラダのサンドイッチ。
みなさんはどんな玉子サラダを作られるでしょう。
あるいはどんな玉子サラダがお好きでしょうか?
ボクの大好きな玉子サラダのサンドイッチは、
母が作るサンドイッチ。
時間がかかっちゃうから、
今すぐ食べたいって言われても困るのよねぇ‥‥、
って言いながら作ってくれていた
サンドイッチのレシピを先日、教えてもらった。
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
【材料】
・食パン‥‥4枚
・一晩かけて常温に戻した玉子‥‥6個
・キュウリ‥‥3分の1本
・玉葱‥‥4分の1個
・セロリとパセリのみじん切り
‥‥それぞれ適宜
・塩
・白胡椒
・マヨネーズ
・バター
・洋芥子(粉末) いずれも適宜
・最後に秘密の隠し味
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
玉子を常温に戻す時間をのぞいて、
調理時間はほぼ6時間。
朝に準備をはじめて
ちょうどおやつの時間に完成するという、その作り方。
また来週といたしましょう。
発行年月:2015.12
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2017-09-14-THU