もしもタイムマシーンがあったら その3

(昨日までの、もしもの世界)
好きな彼女に電話でアタックした
高2の夏。
でも、彼女からは
「考えさせて」という返事が。

関根

がんばって学校に行っても、
彼女に会いたくないから、
逃げるように帰って来ていました。
そして、3日ぐらいしたら、
同じクラスの別の女の子から
家に電話がかかってきました。
その子が言うには、
「彼女が関根君に話したいのに
 学校でぜんぜん見つからない」

ほぼ日 うはははは。逃げていたから
見つからなかったんですね。
関根 とどめだけは刺されたくなかったんでね。
それで、その子が
「ちょっと今から彼女に電話を代わるよ」
って。
ほぼ日 おおお。
関根

そしたら彼女が、
「じゃあ、日曜日にどこか行きましょう」
って言ってくれたんです。
彼女、電話でデートに誘った
僕のその勇気に、
すごく感動した、と言うんですよ。

ほぼ日 大成功だったんですね。
関根

それで、僕、1回だけ、
デートしたんです。
学校からも、一緒に帰ってました。
でも、それだけだったんですよ。
好きだとも言わなかったし、
手も握んなかった。

ほぼ日 ええええ???
関根

そのあとの夏休みも、
なんの連絡もしなかったんです。
だから僕、タイムマシーンであの頃に戻って、
毎日のように電話して、
夏休みも会いまくります。

ほぼ日 (笑)そこだったんですか、
タイムマシーンを使うのは!
関根 それで、もう好きだ! っつって、
抱きしめます。
ほぼ日 ‥‥‥‥。
関根

もう、どんどん押してみたい!

ほぼ日 ええっと、
1回目の電話で
そこまで勇気を出しておきながら
押さなかった理由は
なんだったんでしょうか?
関根

女性はそういうものを
求めてないと思ってたんですよ。

ほぼ日 はあ。
関根 キスだとか、そういう衝動は
男だけが抱いてるもので、
女性は期待してないと思ってたんです。
それをおくびにでも出したら
僕は確実にふられると思っていました。
ほぼ日 はい、はい。
関根 でも、それは間違った知識です。
きっと、補助先生がいれば
教えてくれたんだと思います。
ほぼ日 また、補助先生が。
関根 「いいか、関根。
 女の子は待ってんだ。
 でも、女の子のほうから下ネタは言えない。
 好きだ、君に興味がある、君がほしい、
 それを言われて嫌な女の人はいない。
 ただ、お前に実際
 キスさせるかどうかは別だ」
ほぼ日 よくわかっていらっしゃる
補助先生ですね。
関根 「そういう場合は
 ちょっとごめんなさい、と言われるだろう。
 だめだった場合はほんとうに潔く引けば
 女性は嫌な気持ちはない。
 だって、お前のことを好きなんだから。
 それをしなきゃ
 子どもなんか生まれないんだから。
 だから、お前、行け!」
そしたら僕はきっと、行ってました。
だけど、補助先生が、いないから!
ほぼ日 補助先生さえいれば!
関根 本当に純情で、
手なんか握ったら嫌われると思ってましたよ。
今の僕だったらすぐですよ、
好きだーっつってね、もう、すぐですよ、すぐ。
ほぼ日 はい、はい。
関根 あのね、女の人に「キスしていい?」って
聞いたらいけないんだってね?
僕はいろんな人にそう聞いたから、
今は知っています。
黙ってキスします。
ほぼ日 はい、なるほど。
関根

高2の夏、戻りたいです。
そしたら俺の人生、変わるのかなぁ?
その子と結婚するのかなぁ?

ほぼ日 でも、そのぐらいで終わったほうが、
女性のほうはよい思い出として
憶えておられるかもしれませんね。
 
(続きます)
2008-08-06-WED
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