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糸井 |
その、学生のころのタモリさんって、
運動部の連中と
付き合いはあったりしたんですか? |
タモリ |
運動部は‥‥なかったですね。 |
糸井 |
そのあたりは、断絶があるんですね。 |
タモリ |
スポーツで興味があったのって、
ラグビーくらいですね。 |
糸井 |
あ、それは意外だなぁ。 |
タモリ |
見てたら、やってみてぇなと思ったりして。 |
糸井 |
やってみることは、しなかったんだ? |
タモリ |
いや、クラスのラグビー部のやつに、
「ためしにスクラムをやらせてくれ」って
頼んでみたことはあります。
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糸井 |
ほう、ほう(笑)。 |
タモリ |
もしかしたら、
向いてるかもしれないからと思って。
で、「ドーン!」って当たった瞬間、
「あ、これはムリだわ」と。
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糸井 |
向いてなかったんだ(笑)。 |
タモリ |
首のあたりに、イヤ〜な音を立ててね。
で、「いや、ども、ども、ありがとう」っつって、
首の後ろがわを押さえながら
校庭の片隅へ消えていったという‥‥思い出が。 |
糸井 |
その後、興味はどうなったんですか? |
糸井 |
興味はまだある。それは残った。 |
糸井 |
ラグビーって、
どういうところが、おもしろいんですか? |
タモリ |
うーん、あれだけはね、試合を見ながら、
声も出るし、身体に力が入ってくるんですよ。
知らないうちに、グッと前に出てるというか。 |
糸井 |
ああ、それは、向いてますね。 |
タモリ |
うん‥‥いや、だから、
向いてなかったっての。 |
糸井 |
いや、あの、見るのがね(笑)。 |
タモリ |
ああ、見るのがね。
いまだに「いけー、そこだー」とか言っちゃうから。 |
糸井 |
ぼくも、ともだちがラグビー部だったんですが、
バンカラな学校だったせいなのか、
やつら、なぜかパンツを穿いてなかったんですよ。 |
タモリ |
穿かないですよ。
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糸井 |
え? |
タモリ |
ショートパンツ的なものの下に、でしょ? |
糸井 |
ラグビーってそういうものなんですか? |
タモリ |
ラグビー部は、ほとんど穿いてませんでしたよ。 |
糸井 |
ホントですか!? |
タモリ |
いや、穿いてない、穿いてない。
今はどうか知りませんけど、少なくとも当時は。 |
糸井 |
そうなんだ‥‥。
でも、それを知ったときに「なんでだ‥‥?」という
ものすごい疑問を感じたんですよね。 |
タモリ |
動くときに気持ち悪いとか、
めんどくさいからでしょう。 |
糸井 |
だって‥‥気持ち悪いかもしれないけど
あらゆる場面で
パンツは穿いてるじゃないですか、われわれ。
なんで、ラガーマンだけは
そんなに解放してんのかと。 |
タモリ |
特権なのか、と(笑)。 |
糸井 |
そう、そう(笑)。
‥‥それじゃあ、
運動の楽しさみたいなものについては‥‥。 |
タモリ |
皆無でしたね。 |
糸井 |
様式とか、ルールとか、キライそうですもんね。 |
タモリ |
うん、キライです。 |
糸井 |
でも「リズミカル」ではありますよね、
タモリさんて。 |
タモリ |
うん、リズムは大事です。 |
糸井 |
リズムは大事、ルールはキライ。 |
タモリ |
ええ、そうです。 |
糸井 |
ああ‥‥だから、ジャズなんだ。 |
タモリ |
うん‥‥そうか、ジャズですね。
<つづきます> |