糸井 | みうら、ヘビ、もらった? | ||||
みうら | もらいましたよ、もちろん。 ぼくのヘビコレクションの中に入ってます。
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糸井 | ゴムじゃないけど、それなりの ちがうヘビとして、いいでしょ。 |
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みうら | 木ヘビですよね。
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糸井 | ゴムじゃないなりの、 ゴムごころがあったでしょ? |
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みうら | うん。ゴムのようにしなってましたし。 | ||||
糸井 | あのゴムごころは、 ぜひみうらに伝えたいと思ったんだよ。 上海であのヘビを買うとき みんなにバカにされたんだから。 |
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みうら | ヘビ買うときは、 バカにされるもんですよ。 |
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糸井 | ほかのあらゆるおみやげに目もくれずに、 ヘビを手にして「これいいな」 「ほかにいろんなものがあるのに! ヘビですか!」 |
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みうら | 糸井さんにいただいたあのヘビ、 舌が赤いゴムでできてるんですけど、 けっこう、すぐ取れちゃうんですよね。 くっつけるのに苦労しました。 |
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糸井 | そこは、中国の苦手なところだよ。 | ||||
みうら | そうですよね。 |
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糸井 | インドはコンピュータについてはくわしいけど、 100円ライターは作れないから。 |
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みうら | 逆にね。 | ||||
糸井 | 大衆が喜ぶようなことっていうのは、 わりと苦手な国が多いんだよね。 中国も、ビルは建つんだけど、 おみやげヘビの舌はダメ。 |
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みうら | そうなんですよね。 ちゅっと抜けたら、 なかなか入れられない。 |
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糸井 | 申し訳ない、 そのへんの心づかいがオレになくて。 |
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みうら | いやいやいや。 | ||||
糸井 | まだまだだな、オレも。 「舌のこと、よろしくね」とか ひとこと言うべきだったよね。 |
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みうら | 何をおっしゃいますやら。 |
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糸井 | だけど、ミュージシャンっていうのは、 魔が住んでるね。 |
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みうら | ははは、また話が戻るんですか。 | ||||
糸井 | 歌ったとたん、 天と私がつながっちゃうんだよね。 |
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みうら | 降臨ね‥‥でも、ああいうイベントを ぼくが「やりたい」と思ったのは、 糸井さんの「ヘンタイよいこ集会」を 見たからですよ。 これだけは、はっきり言いたいです。 |
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糸井 | ‥‥‥‥。
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みうら | つまりは、糸井さんのせいです。 糸井さんは、坂本龍一さんとか、 ムーンライダーズをバックに 歌ってらっしゃったんですよ? あれは確実に降臨ですよ。 |
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糸井 | そのとき、ぼくが「二」にならないように どれだけ気をつけてたか、 ちょっとだけ言わせてください。 |
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みうら | はい、ちょっとだけお願いします。
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糸井 | ぼくはみうらさんのような ボブディランのスタイルで歌ったんじゃなくて、 パジャマ姿ですから。 |
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みうら | でも、わざとパジャマですから。 | ||||
糸井 | もちろん、わざとです。 | ||||
みうら | わざとですよね。 | ||||
糸井 | 病院のベッドに乗って 看護婦さんが押してくる設定でした。 |
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みうら | ああ、そうだった。 そうだった、そうだった。 |
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糸井 | 看護婦さんがグラビアガールです。 | ||||
みうら | そういう演出でした、 そういう演出でした。 |
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糸井 | ベッドがガラガラっとステージに出てきて、 そこにパジャマで寝ていたぼくが、 松葉杖をついて歌いました。 |
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みうら | たしかに、石膏の型のようなやつも つけておられて、 それをステージから投げていらっしゃった。 みんなをギョッと驚かそうという演出ですよ。 |
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糸井 | そういう段取りをつけて、 「二」にならないように、 それはもう、気をつけて、気をつけて。 つまり、 「オレのことをジョンレノンと思うなよ、 ただのパジャマ党だぞ」と。 |
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みうら | いや、そうは見えなかった。 |
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糸井 | みうらは、 文化祭のレベルでしか考えてないからね。 |
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(つづきます) |
2009-08-04-TUE