ほぼ日テレビガイドシリーズ  秋の連ドラチェック2009  あややとふたりのプロフェッショナル
ほぼ日乗組員のあやちゃんは、
とにかく、テレビが好きで好きで好きで、
とりわけ、ドラマが好きで好きで好きで、
これでもかというほどたくさんのドラマを観て、
そんなにかというほどドラマについての知識もあり、
新しいドラマがはじまる季節になると、
いろんな人が「今クールのおすすめは?」と
あやちゃんのところにわざわざ訊きにくるくらい。
さて、そんな、あやちゃんが、
ふたりの「テレビのプロ」といっしょに、
新しいドラマについて存分に語り倒します!
大好評、「連ドラチェック」シリーズ第3弾!
ゲストはもちろん、あのおふたかた。
漫画家の荒井清和先生と
脚本家の森下佳子さんです!
「もー、楽しみで楽しみで楽しみで!」と
3週間くらい前から興奮気味のあやちゃんは
いったいどのドラマをどう語るのか?
連載開始の時期がちょっと遅れてすいません。
進行役は、ドラマをまったく観ない永田です。

あやや
ほぼ日刊イトイ新聞随一のテレビッ子。
どんなに忙しくても録画したドラマは必ずチェック。
毎週発表される視聴率なども無意味に把握。
幼少期から蓄積されたテレビの知識は無尽蔵。
荒井清和
漫画家・イラストレーター。ほぼ日刊イトイ新聞にて
『TVウォッチャーの逆襲』を連載中。
「写真より似てる」という高品質な似顔絵には定評が。
ドラマ、スポーツ、バラエティー番組などが好き。
森下佳子
脚本家。『世界の中心で、愛をさけぶ』『白夜行』
『佐々木夫妻の仁義なき戦い』『MR.BRAIN』などを担当。
今期は『JIN-仁-』の脚本を担当。
好きなテレビ番組は、ドラマやバラエティーなど。


だいたいしゃべったあとで、
さぁ、いったい、何を観る?

ライアーゲーム シーズン2
フジテレビ系 火曜日 21時〜
出:松田翔太 戸田恵梨香 吉瀬美智子
あやや とてもぜんぶはしゃべれないんですけど、
気になるドラマ、もうちょっと挙げましょう。
『ライアーゲーム シーズン2』は
どうでしょうか? 
森下 すいません、私、
前作を観てないんですよ。
あやや わたし、観てました。
おもしろかったですよ。
ただ、なんというか、観おわって、
けっこう充足感があったんで、
続編がはじまると聞いて
「おお!」となったかというと‥‥。
荒井 ああ、わかります。
おもしろかったけど、
1回でいいかなっていう気持ちもある。
あやや そうなんです。
荒井 ただ、今回は戸田恵梨香さんが
メインになるみたいですから、
そこはけっこうたのしみですよ。
あやや ああ、そうですね、
前作では戸田恵梨香さんが
まだ出はじめのころでしたから。
森下 たしかに、こんなに人気者になるとは
みんな思ってなかったかもしれない。
あやや そして、前にも言いましたが、
戸田恵梨香さんが出るドラマは当たる!
森下 ああー、そうだった(笑)。
荒井 ほんとに数字とりますからねー。
あやや 縁起のいい女優さんなんですよ。
つまり、前にも言いましたが、
「縁起派女優」!
森下 はいはい。
荒井 はいはい。
── はいはい。
あやや それはさておき、この福永ユウジ役の、
この人、おもしろかったんですよ。
鈴木浩介さんっていうんですね。
すっごい特徴のある役で、よかった。
荒井 たしかに、
印象的でおもしろかったですね。
あやや おもしろかった。
めちゃめちゃ。
森下 へぇ、そうなんですね。
ちょっとチェックしてみよう。
あやや とりあえず、『シーズン2』の
1回目は観ちゃいますね。
で、前作と違うおもしろさがあったら
終わりまで観ちゃう。
『プリズン・ブレイク』とか、
『LOST』とか、『24』ぐらい、
『シーズン2』に新しい展開があれば
うれしいんだけどなぁ。
荒井 あとこれ、映画にもなるみたいですよ。
森下 ほんとだ。映画も撮ってる。
あやや へぇー。
チャレンジド
NHK 土曜日 21時〜
出:佐々木蔵之介 富田靖子 夏八木勲
── さぁ、ほかにありませんか?
あやや NHKの『チャレンジド』はどうでしょう。
森下 佐々木蔵之介さんですね。
あやや 土曜日の9時ですから、
『サムライ・ハイスクール』がありますね。
裏に強敵がいます。
荒井 ええと、内容的には、
視力を失った熱血教師の話。
森下 きっと、いい話なんだろうなー。
あやや いい話なんでしょうねぇ。
しかも、主役が佐々木蔵之介さんですから
もう、安定感バツグン。
荒井 安心して観てられます。
あやや 上手ですよねー、佐々木蔵之介さん。
この人って、ドラマに出てないクールは
ないんじゃないかっていうくらい
いろいろ出てらっしゃいますよね。
森下 私、惑星ピスタチオっていう劇団に
いらっしゃったときから観てるんですけど、
こんなに売れる人になるとは、
正直、思いませんでした。
あいかわらず、私の、
人を見る目は節穴です(笑)。
荒井 いい話で、佐々木蔵之介さんが主演、
っていうことは、
ストレート勝負なドラマなんでしょうね。
森下 たぶん、そうですよ。
小技じゃなくて、フルスイング!
っていうことなんでしょう。
あやや 脇も、富田靖子さんですから。
富田さんも上手ですよー。
森下 そうですね。
荒井 意外に今季は感動系が少ないみたいですから、
きちんとお客さんがつく気がします。
森下 うん。その意味では、
『サムライ・ハイスクール』と
きちんと棲み分けるかも。
その男、副署長
テレビ朝日系 木曜日 20時〜
出:船越英一郎 田中美里 宇梶剛士
あやや これは、どうですか。
『その男、副署長』。
荒井 これ、新ドラマじゃなくて、
前からやってましたよね。
あやや やってます。
テレ朝の定番の刑事ものなんですよ。
荒井 もう、毎回言ってる気がしますけど、
テレ朝は多いですねぇ、こういうの。
あやや 以前、荒井先生がおっしゃった、
「テレ朝は定食屋」
という名言がありましたけど、
ほんとうにそうですよね。
森下 そうそうそう。
安心できる定食が、いつもある。
得意なこと以外は
あんまりやらないわけですから、
かしこいといえば、かしこいですよね。
あやや しかも、手堅いんですよね。
同じような刑事ものをやるにしても、
2時間ドラマかなんかの枠で1回やってみて、
視聴者の反応を見て手応えを得てから、
連続ドラマにする。
『相棒』もそうだったし、
『交渉人』もそうだし。
森下 それにしても、
ここまで刑事ものに特化しているというのは、
あらためてすごいなと思いますね。
あやや うん。もう、ある種の覚悟を感じます。
森下 そのなかでも差別化とか、
しっかり考えている人が
いらっしゃるんでしょうねぇ。
どうやって刑事ものを量産しているのか
勉強させていただきたい。
あやや 観るほうからすると、
まぁ、たしかに、マンネリといえば、
マンネリかもしれないんですけど、
なんか『水戸黄門』を観るときのような
安定感を感じるんですよ。
荒井 刑事ものだけで、
ぜんぶで何本くらい走ってるんでしょうね。
森下 連ドラだけじゃなくて、
テレ朝は2時間のミステリー枠も
ありますからね。
あやや 土曜日、やってますよね。
森下 だから、もう膨大なノウハウが。
以前、ここで話題になった
『火サス(火曜サスペンス劇場)』の
ノウハウがテレ朝に集結してるのかも‥‥。
── あの、基本的な質問なんですけど、
そういう刑事ものって、
視聴率的にはどうなんですか?
森下 いいんです。
荒井 ええ、とってます。
── へぇー。だからどんどんつくるのか。
森下 沢口靖子さんの『科捜研』、
今クール2位とか3位に
なるんじゃないですか?
あやや あ、そんなにですか!
だから何度もやるんだ。
荒井 『科捜研』は、何シーズンやってるのか
わからないくらいですよね。
── 定食屋には定食屋をやっている理由が
ちゃんとあるんですね。
荒井 いまやってる『新・9係』も
12〜13パーセントは取ってますよ。
森下 だから、ドラマの視聴率でいえば、
テレ朝はいまいいんですよ。
あやや そうですねー。
荒井 話を戻すと、『その男、副署長』は
その定食屋さんのなかの激戦を
勝ち抜いてきたドラマですから、
きっと、安定感ありますよ。
あやや ああ、そうかも!
── ある意味、
テレ朝の刑事ブランドってことですね。
深夜食堂
深夜食堂 水曜日 24時29分〜
出:小林薫 オダギリジョー 松重豊

新・三銃士
教育テレビ  
放送予定はこちらをごらんください
声:田中裕二(爆笑問題) 貫地谷しほり 戸田恵子
あやや ええと、もう簡単に触れるだけですけど、
ぜひお知らせしておきたいのは
NHKの人形劇、『新・三銃士』。
これ、三谷幸喜さんが脚本です。
荒井 人形劇ですか。
森下 これ、知らなかったー。
あやや ダークホースですね。
おもしろくないわけがない。
あと、『深夜食堂』は、
『LIFE』でお馴染みの
飯島奈美さんがフードコーディネーターを
担当してらっしゃいます。
── おつかれさまでした!
じゃあ、最後に、
みなさんのおすすめというか、
「これを観ます!」という
ドラマを3本くらい教えてください。
ええと、『JIN−仁−』は
別格にしておきましょうか。
じゃあ、あやちゃんから。
あやや あの、答えとしては
おもしろくないんですけど、
『相棒』は観ますね。
うーん‥‥絶対観るのは‥‥
あの、森下さんがいるからじゃなくて、
わたし、『JIN−仁−』は
はじめから観るつもりだったんですよ。
それを外すと、なんだろう。
森下 私、なんだかんだ言って、
『不毛地帯』は観ちゃう気がするなぁ。
あやや そう、わたしも、そこは気になる。
荒井 しかし、なんていうか、
前回のときの『白い春』ほど
「これいけますよ!」って
言いたいものがないような‥‥。
あやや そうそう。わかります。
── ま、気楽に3本、選んじゃってください。
いま、なんとなく観る気になってる3本。
あやや うーん、わかりました!
『東京DOGS』。『産婦人科ギネ』。
うわー、どうしよう、あと1本、
うーん‥‥『小公女セイラ』!
森下 おおー。
あやや 『おひとりさま』か『小公女セイラ』か
ほんとに迷ったんですけど、
『おひとりさま』は想像できなくはないので、
『小公女セイラ』にいきます。
── 荒井先生、どうぞ。
荒井 うーん、どれかなぁ。
『東京DOGS』は入りますね。
それは、いいですけど‥‥うーん‥‥
『小公女セイラ』、やっぱり入るかな。
── へぇー。
荒井 なんか、わけがわかんないぶんだけ、
魅力を感じてしまうみたいな。
あやや そうそうそう、そうなんです。
荒井 あと、『マイガール』にしてみよう。
あやや ああー、そこかー。
森下 ああー、そこかー。
あやや なんか、やられた感がある。
『マイガール』、相葉雅紀さん‥‥
すごく、いいチョイスですねー。
荒井 金曜深夜という枠で、
どんなことをやるのか、
ちょっと注目してます。
まともなラブストーリーをやるのか、
違う方向に行くのか。
── 森下さん、いかがでしょう。
森下 うーん。まず『不毛地帯』。
で‥‥『アンタッチャブル』。
荒井 ああ、『アンタッチャブル』か。
あるなぁ、それも。
あやや うーん。わたしもそれ、悩みました。
森下 で、『ギネ』か‥‥
『サムライ・ハイスクール』か‥‥
うーん‥‥どっちだろう‥‥『ギネ』。
『ギネ』にしときます!
── ということで、いちおう、決まりました。
このなかで、前回の『白い春』のような、
3人共通のおすすめドラマを
選んでいただくとすると‥‥。
あやや うーん‥‥どれだろう。
荒井 今回は、難しいですね。
── 重なっている票だけでいうと、
『東京DOGS』、『小公女セイラ』、
『ギネ』あたりですか。
荒井 うーん、でも、そこに
『白い春』に匹敵するような
説得力を感じるかというと‥‥。
森下 なんかね。
あやや そう、ちょっと違う気もする。
荒井 それぞれに魅力的なんですが、
このメンバーで選ぶ1本っていうと
違和感があるんですよね。
あやや じゃあ、『JIN−仁−』にしませんか。
── ははははははは。
森下 それは、まとめとして、ひどいけど(笑)。
荒井 おもしろいかもしれない(笑)。
あやや いや、でも、『JIN−仁−』は
ほんとにおすすめですよ。
荒井 うん。いいと思いますよ。
森下 ありがとうございますー(笑)。
── ま、とくに賞品があるわけでもないし、
そういうことでまとめましょう。
今回の3人のおすすめは『JIN−仁−』です。
長時間、どうもありがとうございました!
森下 ありがとうございました!
荒井 ありがとうございました。
あやや ありがとうございましたー!
幸せでしたー!!
一同 (拍手)
あやや あああ、終わってしまった!
(おしまい)

2009-10-21-WED

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