ジョージ |
電車に乗ってね、通勤時間で乗るでしょう。
すごいよ、やっぱりもう。
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つねさん |
あ、おじさん?
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ジョージ |
おじさん! 汚い!
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ノリスケ |
汚いね。
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つねさん |
あー、汚い人いるよね。
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ジョージ |
たとえば周りにね、周りに、
ぼくたち的イケメンが、
何十人もぎしぎしぎし〜とかなって‥‥。
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つねさん |
いやぁ〜ん、とかなって?
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ジョージ |
いやぁ〜んとかって思うんならいいわよ?
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つねさん |
カバちゃんか、おまえは(笑)。
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ジョージ |
だから、女の子も、べつにね、
女性専用車両なんかに
乗りたいわけじゃなくって、
たとえばイケメンの、
なんとかレンジャーとか?
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つねさん |
仮面ライダーブレイドとか。
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ジョージ |
そう、仮面ライダー系のイケメン
20人かなんかに、でぁーっ、とか
囲まれたら、あぁ、今日は良かった、
とかってなるだろうけど。
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つねさん |
ヨン様20人とか?
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ジョージ |
そう、ヨン様20人とか。
今日は良かった‥‥って。
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ノリスケ |
暑苦しい。マフラーした寒そうな男が20人。
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ジョージ |
それでもいいのよ。
それが、周りにね、煙草くさーいおじさんと
髪の毛がホコリくさーいおじさんと。
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つねさん |
ああ、体もホコリくさーいおじさんと。
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ジョージ |
あとね、甘酸っぱーい匂いのするね、
おたく系デブとかが
でぁーっと並んだ日にはね、
もうね、もしぼくが女の子だったら、
たぶんこれで気ぃ狂うだろうなって。
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ノリスケ |
ほんとうに女の人たちは、
そういう気持ちなんじゃないの?(笑)
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ジョージ |
そう、そのとおりなのよね。
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ノリスケ |
ほとんどそうでしょ。嫌だよね(笑)。
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ジョージ |
で、これで、もしちょっとでも
スカートがふわっと揺れたら、
痴漢です! って言いたいと思う。
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ノリスケ |
言ってやりたいような気分になる。
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ジョージ |
そう。と思う。思うよ。思うんだけどね。
そのおじさんたちもね、毎月毎月、
おこづかいが2万円とか3万円で
頑張ってるんだなと思ったらね。
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つねさん |
多少は許そうかと。
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ジョージ |
そ。たまにはすとーんと感度落としてですよ。
口で息をするとか。‥‥‥‥できないな〜、
ぼくはすっごいできない。
ほんっとにできない!! 厭ぁ〜!
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ノリスケ |
なによ、ひとり芝居?(笑)
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つねさん |
ひとりでずっと完結してるのよ、
女の気持ちになったり
おじさんの気持ちになったりして(笑)。
よっぽどなんか最近あったわけね?
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ノリスケ |
夏になるとねぇ。
あるいは更年期障害かしら、ジョージさん。
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ジョージ |
ちがうわよっ!
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ノリスケ |
ま、たしかにひどい、通勤電車。
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つねさん |
うん、そうだろうね。
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ジョージ |
この前ね、新幹線。
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つねさん |
はい。
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ジョージ |
満席よ? 今。満席、ほんとに、夏休みで。
夏休みでグリーン車が満席になって、
3分の1くらい子ども連れで、
子どもがぎゃーぎゃー泣いて
ごらんなさいよ、ほんとにもぉ!
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ノリスケ |
うっわ。
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ジョージ |
死にそうになるよ? 死にそうになる上に、
横がね、口の臭いおやじ。
ね。しかも寝てるの。
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つねさん |
口大開け?
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ジョージ |
あのね、口というか、もう、
内臓が臭いのよね、あれ、たぶんね。
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ノリスケ |
あの、口臭って、胃とかからなんだよね。
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ジョージ |
そう。たぶんね、昨日の晩、
すっごい接待受けたんだと思うの。
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つねさん |
酒?
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ジョージ |
で、酒。で、いつもの口臭に
輪をかけて臭い上に、
たぶんね、お風呂入ってないんだよ。
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ノリスケ |
おそろしい。
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ジョージ |
夜中まで頑張ったから。
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つねさん |
忙しくて?
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ジョージ |
なに頑張ったかわかんないけど。
で、その、脂っこーい髪の毛の臭いで、
ぐわぁーって寝始めて、
あ、死にそう、って思うとね、
んーと、20分くらいして、
目覚まして、靴まで脱ぐの。
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ノリスケ |
うわ〜〜〜〜っ(笑)。
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つねさん |
そしたら?
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ジョージ |
すごいよ? すごい。息できない。
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つねさん |
すごいな。
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ジョージ |
すごい。でね、替わりたいんだけどね、
替わるところがないんだよ。
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つねさん |
満席で。
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ジョージ |
そう。大変だなと思うんだけどね。
悔しいよ〜、ああいうのは。悔しい。
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つねさん |
おつかれさま。そうだよね、
わざわざ高い料金、払って。
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ジョージ |
そのとおり。
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ノリスケ |
そんな人がぎっしりいる会社の
OLの気持ちもわかるでしょ(笑)。
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つねさん |
ちょっとわかるかも!
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ジョージ |
そうなんだよね〜。
でも、ま、ちょっとね、
寛大な精神っていうんですか?
どうしても、男は男の価値観で女の子を見て、
女は楽でいいなって言っちゃうと思うけど、
でも、女の子は逆に、女の子の価値観で
男を見過ぎることもあるかな?
と思ったりするんでね。
なんか、昔、ウチがちょっと
仕事やらしてもらってた、某大手の会社。
ま、インフラエネルギー系? にね、
伝説の役員秘書っていうのがいて、
ものすごかったの。
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つねさん |
どういうふうに?
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ジョージ |
あのね、おじさんの肩に溜まったフケを
見つけると、自分の仕事だと思って
近づいてく女がいたの。
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ノリスケ |
ほぉ〜。
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ジョージ |
それは、取引先の人であれ、なんであれ、
さーっと近づいていって、ぱっぱっと払うの。
払って、「昨夜も夜遅くまで、お仕事、
ごくろうさまでした」って言って
かえっていくの。
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ノリスケ |
あらぁ〜。
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ジョージ |
ぜったい「社長、フケが!」って言うと、
それはホステスになるんだよね。
で、それはなかったことにして、
フケを溜めてしまうまでお働きになって、
心中お察ししますって、
同士として挨拶してかえってくんだよ。
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つねさん |
はぁ〜。
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ジョージ |
彼女となら仕事したい人が
いっぱいやってきて。ウチのおやじも、
それでだまされたようなもんだけど。
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つねさん |
ははははは!
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ジョージ |
儲かんない仕事をさせてもらって、
喜ぶんだよ?
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ノリスケ |
喜ぶんならいいじゃないか。
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つねさん |
あ〜、そうね。
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ジョージ |
だから、そういうもんだと思う。
男をたらし込むというか、
気持ち良くさせるということは
そういうことよね。
同士の気持ちになって
「心中お察しします」って言われて、
嫌な気持ちになる男はいないしね。
ま、それを自分の恋人レベルまで
落とし込めていけば? ハッピィ、みたいな。
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ノリスケ |
ことかしらね。
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ジョージ |
ことかしらっ。
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つねさん |
ぶほっ(笑)。
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ノリスケ |
落とし込めて‥‥。
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ジョージ |
るかなぁ?
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ジョージ |
どうだろう? 心中‥‥。
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ノリスケ |
お察しします(笑)。
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ジョージ |
心中ねぇ‥‥。今、どんな感じ?
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つねさん |
ハッピーよ。
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ジョージ |
よかった。
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ノリスケ |
ふふふふふ。
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ジョージ |
欲望はいっぱいあるけれど。
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つねさん |
欲望は、あんまりない、ない。
このしあわせがずっと続けばいいな(笑)。
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ノリスケ |
けっ。じゅうぶんだよ、じゅうぶん。
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ジョージ |
ふがっ。
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つねさん |
あ〜あ。
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