怪・その16

「水色の自転車」


新聞配達をしていた時のお話です。

ある山の中にある集落に、毎日、
まだ明け方にもならない真っ暗やみの中、
原付バイクで坂道を登っていました。

坂道なので10キロしか速度がでず
街灯もなくバイクのライトだけを頼りに走っていました。

なんだか横に違和感を覚え、横を見ると、
真っ暗やみなのに異様に目立つ水色の自転車に乗った
小学校2年生くらいの男の子が
真冬なのに半パンと白いランニングシャツを着て
坂道なのにバイクに乗っている私を追い越し、
「お姉ちゃん競走だよ」って私に言ってきて
追い抜いて行きました。

「えっここ、
バイクでも10キロの速度しか走れないのに、
自転車で追い越すって‥‥
それも子供用の自転車に乗った子供が」

凄く恐怖を感じ、坂道を登りきり、
集落についたらその男の子が待っていたのです。

「僕の勝ちだよ」
と言って集落の中へと消えていきました。

次の日、営業をしていた私は、
お昼にその集落へ新聞の勧誘に行き、
その集落に住んでいるおばあさんに、
昨夜の出来事をお話ししたところおばあさんが
「こっちにおいで」と言うのでついていくと、
そこにはお地蔵様がおりました。

「その子はこのお地蔵様だよ時々でるんだよ」
って笑っておばあさんが言いました。

それからはその男の子にあったことはないです。
不思議と怖くはなく不思議な体験でした。

(ほぼ日大好き)

こわいね!
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2024-08-13-TUE