怪・その43

「国語辞典」


私が小学6年生の時の話です。

10月のとある土曜日の夜、
母と一緒に観ていたテレビドラマが始まって、
間もなくだったと思います。

ふと、子供部屋へ行き、
書棚から国語辞典を取り出しました。

理由を聞かれても、なぜあの時、そんな事をしたのか、
今でも説明することができないのですが‥‥、

無意識に「死」と辞書でひき、
声に出して読んだあと、
辞書を書棚に戻し、
何事もなかったようにテレビを見て、
就寝しました。

翌早朝に、
祖父が亡くなったと連絡がありました。

私が辞書で「死」とひいていた時間に、
祖父は危篤状態になったと、
葬儀の時に聞きました。

自身の生命の灯火が
間もなく消えて無くなると、
祖父が、東北の地から、
伊豆にいる私たちに知らせてくれたのでしょうか?

今でも時々、あの日の夜のことを
ふと思い出します。

(m)

こわいね!
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2024-09-03-TUE