怪・その45
「ベランダは2階」
子どもの頃から何か感じるタイプで、
最近は、わりとはっきり見えてしまうこともあります。
1、2年ほど前になるでしょうか。
朝方、自宅でいつもどおり洗濯をしていました。
ちょっと天気が微妙だし、
冬だから寒いけど、ベランダに干そうかな。
と、ランドリーカゴを持って移動している時。
ふと見ると、窓の外、
ベランダに人が立っているのです。
薄手のブルーグレイの花柄のスカート。
靴は履いておらず、
青白くところどころくすんだような肌の質感。
中年手前くらいの女の人の脚でした。
つーっと視線を上げて見ると、
上半身はありません。
「わ!?」
と、びっくりした次の瞬間には、
いなくなっていました。
不審者かも、とも思ったのですが
真冬に素足であんなに薄着。
靴も履いていないし、下半身しかなかったし。
ここのベランダは2階にあるし。
と思い直し、
そっと胸にしまっておくことにしました。
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