怪・その52

「掛け布団の上に」



そこそこの頻度で、
いわゆる金縛りにあいます。
寝ている時がほとんどです。

昔からなので、もう慣れっこになっているのですが、
時々びっくりするようなモノに遭遇します。

20年くらい前でしょうか、真夜中です。
何かしらの夢を見て眠っておりました。
わりあいとのんびりした雰囲気が突然変わり、
夢の中に、小柄で、
かなりの怒気をはらんだ
知らないおばあさんが出てきました。

驚いてうっすらと夢から覚めると、
すでに金縛りです。
いつもどおり身体は動きません。
「イヤだなぁ。またか。」
瞼は動きそうだったので、
とりあえず目を開けてみます。

私の掛け布団の上に、
夢に出てきたおばあさんがしがみついていました。

白髪を丸く結えた小柄なおばあさん。
じっとりとした嫌な重さがありました。

「ヤバい」と思い、
必死に身体を動かそうとすると、
程なく金縛りは解け、
おばあさんも消えました。

ほっとしたのも束の間、隣の布団で眠る夫から
「今の、今の何!?」
と声を掛けられました。

夫は霊感などまったくなく、何も感じないタイプです。
それでも、不穏な空気だけは伝わったのかもしれません。

あのね、さっき、と話し始めたところで
「やっぱり、いい! 止めとく!」
と言われてしまい、モヤモヤした気持ちと恐怖心で
その後はなかなか寝つけませんでした。

(a)

こわいね!
Fearbookのランキングを見る
2024-09-07-SAT