あれ、おもしろかったな。 犬のしろえもんのさ、 噛みぐせやらを直していくのに、 いろんな方法があってさ。 |
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その都度、違ってね(笑)。 |
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やり方が違うから、 しろえもんも、ちょっと戸惑って。 |
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あのときに、しろえもんが まるで自分のように思えてきました。 でも、中では褒めるのがよかったみたいだね。 |
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そうですね。 |
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監督は、撮影していて 気になったところがあっても なんだか、闘わないんだよね。 そのへんの感じがおもしろかった。 |
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うん、うん。 |
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これから死ぬんだよ、 という犬もたくさん登場したけど、 それが、ほかの犬と おんなじかわいさなのな。 |
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うん‥‥。 |
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怖がって震えたりしてなくて、 なんだか無心の目をしていて、 かわいかったんだ。 監督さんって、たしか ホームレスさんの 映画を撮ってたんだよね。 |
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それを観て、あのおばあさんが 映画制作を頼んだのかもしれないね。 犬や猫を見る視線が 人間を見る視線と同じで、 「どうすることもできないかもしれないけど、 何かできるかもしれないじゃない?」 という感じが表現されていると思います。 だから、ぼくらも、 これを観たから立ち上がろう! ということではないんだけど、 まず、自分の周りにいるものは、 ということは考えますよね。 そして、自分の周りにいるものを ちょっとずつ広くしていくと、 川崎(徹)さんのように‥‥。 |
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川崎さんにとっては、猫のことが、 「生活圏にいる、困ったものたち」 というふうになっていったわけですよね。 |
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私は、川崎さんが 猫に餌をあげてるところに よく出会います。 |
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そうなんですか。 |
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「人生の、ほとんどが これ(餌やり)だから、俺」 とかおっしゃってます。 |
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私も出会ったことがあります。 「俺の午後は全部これだから」 と、同じようなことを。 |
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だから、お仕事の打ち合わせとかは 午前中になさってるんですよね。 「今度久しぶりに京都行くんだけど、 その日はお休みだ」 と、おっしゃってました。 |
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猫のために 雨よけのひさしを作ったり、 そういう大工仕事もあるし。 |
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大変だ。 |
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映画に出てきても、おかしくない。 |
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思った、思った。観ながら。 |
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穴澤さんが、 富士丸が亡くなったことを書いた日、最後に 「買う」以外にも選択肢がある、ということを 書き添えていらっしゃったでしょう。 富士丸が亡くなって、 いろんな想いがあるんだろうけど、 やっぱりその言い方がすごくよくて、 立派だな、とぼくは思いました。 |
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買う以外の方法‥‥ |
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その言い方が。 |
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うん、そうだったね。 |
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そういうふうになっていけば いいんだろうなぁ。 |
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うん。 どうなればいいのかな、と考えたときに、 「一気にイギリスみたいになればいいのにね」 ということがあると思います。 だけど、いまぼくらが、 なんとかできそうなんじゃないかな、 ということは、まず、犬や猫を 「捨てない」ことだと思うんですよ。 |
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映画を制作依頼したおばあさんも、最初に、 これで、飼ってる犬猫を かわいがろうって思ってくれればそれでいい、 っておっしゃってましたね。 |
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うん、そうか、そうか。 そのひと言に尽きるよ。 |
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(つづきます!) |
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2009-11-19-THU
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