でもなぁ、いまって、 何でも捨てられるもんね。 自分のことだって、捨てられるし。 |
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うん、そうですね。 子どもにも親にも捨てられて‥‥ |
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公園にカメを捨てたこととかも‥‥ |
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あるかもしれない‥‥ |
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あるかもしれない‥‥ |
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「ほら、ここで元気に暮らしなさい」 |
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広い池で、自由に。 |
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いいことのように。 |
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狭い檻で飼うのもね、って。 |
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そうだ、イタリアのある都市では、 丸い金魚鉢は禁止だと聞いたことがあります。 |
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あ、それ、知ってる。 丸い金魚鉢だと 視界がゆがんじゃうからでしょ? |
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へぇー!! |
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すすんでるなぁ。 |
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だけど、ぼくら人間は、 いっぽうで、 豚は食べてるでしょ。 |
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そう! そこを考え出しちゃうと‥‥。 |
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そう。 |
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何もできなくなっちゃう。 |
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人にとって 都合のいい動物だけが 動物なわけじゃない。 |
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だから、人がやれることって、 ほんとうに、狭いよなあ。 |
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現実に向き合うことしか、 何もできないですね。 |
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ほんとだ。そうだよね。 |
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うん、うん。 |
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みっちゃん、犬とか猫とか飼ってた? |
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小学3年生のときに飼ってました。 |
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面倒見てた? |
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最初は見てました。 だけど、最後のほうは、母が面倒を。 |
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そうなんだよね。 やっぱり、ペットは 大人によって飼われるものなんだ。 そう考えると、 子どもが結婚しちゃいけないのだって 同じ理由かもね。 |
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家族を捨てちゃうから。 |
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うん、うん。 |
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この問題って、複雑にしないで、 子どもと大人のことを考えるように とらえてみるといいかもしれない。 |
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映画制作を頼んだおばあさんの 知り合いの獣医さんが 映画に登場してきましたよね。 あの先生は、 人間がまず豊かでないと、 動物の面倒を見られないと おっしゃってました。 だから、動物のことを考えるには、まず、 人間のことを豊かにしないといけない。 |
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いろんな意味で豊かになってないと、 大人になれないのかもしれませんね。 |
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だから、みんなを おおげさに驚かせたり 「そういうのこそ大事よね」と言ったり するんじゃなくて、 もっとゼロの位置で ぼくらは何かをすすめたいよね。 |
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はい。 |
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まずは、 「しょうがねぇなぁ」 ってことがあるんだよ。 |
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こういうことは、 「しょうがねぇ」ってことを含んでる。 |
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うん。 |
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自分の中の野生との関係なんだよね。 「しょうがねえな」という言葉を、 あの、いいだしっぺのおばあさんは きっとご存知だったんでしょう。 「しょうがないんだけどね。 でも、なるべくかわいがってね」 |
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うん、うん。 |
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いま、みんなは動物飼いたい? |
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もちろん飼いたいけど、 いまは無理だから、いつの日か‥‥ 専業主婦とか、老後とか、 自分が家にすごくいる環境になったときに 飼おうかな。 |
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私も、いまは飼っても、 ちゃんとかわいがってあげられないし、 たぶん、その子がかわいそうだから あきらめてます。 |
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夢、だよねぇ。 |
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夢です。 |
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うん。充分に大人になってから、だよね。 ぼくは、ブイヨンを飼うときにも、 まだ早いと思ったもん。 |
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へぇえ! |
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だから、そのくらい、恐ろしいことなのよ。 |
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うん、そうですね。 |
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どんなに経済的に豊かになっても、 いつも家にいる状況になっても、 だめなものはだめなんだよなぁ。 決定的に「添い遂げる力」がないと だめなんだ。 |
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添い遂げる力。 |
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(つづきます!) |
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2009-11-21-SAT |