私は去年、 獣医の野村潤一郎先生に 取材させていただいたとき、 「歴史上のいかなる偉人も 自然科学や生物に興味を持ってますよ」 というお話を伺いました。 いきものをそばで見ていると 「あ、こんなことするんだ」とか、 「野生ってこういうことなんだ」とか、 自然の事象のいろんなこととつながって とにかく視野がひろがるから、と 教えていただいたんです。 そのことがきっかけでまぁ、小さいですけど、 友人のところで生まれた ハムスターを飼うことにしたんです。 |
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ハムスターはうまくいってる? |
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ハムスターは1年半生きて、 死んでしまいました。 やっぱり後悔はありますね。 うちの子は、 「自分のせいだ」って言ってました。 |
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なんで? 親に隠れてアイスクリームとかやったのかな。 |
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いえ、やってません(笑)、 「最後は一緒に寝てやればよかった」 とか‥‥後悔ばっかりです。 |
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でも、その想いだけでもね。 |
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よかったと思います。 |
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なんでもない、ただかわいい、 いいなぁと思う、 犬や猫を見せてくれるのが、 この映画のいいところだと思います。 悲惨なところを見せるのではなく、 ただみんな、こっち向いて ピンとしてるところを撮ってる。 おばあさんがあの監督のことを 「私は人を見る目がある」と言ったのは そのあたりじゃないかな。 |
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そうですね。 |
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インパクトを強めるためなら、 悲惨な撮り方が きっとあるでしょう。 |
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ナレーションも、ご自分ですし‥‥。 |
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そうそう。 |
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気取らない雰囲気で。 |
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言葉に直して人に託したら、 もっと難しく考えなきゃならなくなるけど、 自分でしゃべるぶんには、 そのまんまでいいと思われたのかもしれないね。 もし「私は○×と思った」という 自分の言葉を 誰かに渡して誰かがしゃべったら 「いや、そこまでは思ってない」とか 思うだろうから。 |
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声そのもので届けたかったということも あるかもしれないですね。 |
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映画って、こういうことも あるんだねぇ。 |
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そうですよね。 自分でやったこと、思ったことを 自分で言っている。 |
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できるのは、そこですもんね。 |
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この映画に登場した人たちが みんなそうでしたから。 |
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うん。 |
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いつか犬と ちゃんと寄り添えるような大人に なれればいいなぁ。 |
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うん、うん。 |
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いつになったら 大人になるんだろうね。 |
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「そんなはずじゃなかった」っていう、 不慮の事故の連続だからね。 ‥‥きっと、大人になるといったって、 まだらに大人になっていくんだよな。 |
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はぁぁ! |
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そうですよね。 |
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うん。自分の中に 大人の要素もあるし、 ぜんぜん違う要素もある。 全体的にはどうなんですか、 と問われれば、平均値は出せない。 |
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まだらに。 |
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急に子どもになることもあるし。 |
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うん。 だけど、子どもの部分というのは、なにも ダメなことばかりじゃなくて、 大事なことが、やっぱりあると思うんだ。 |
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子どもにしか感じられないことや できないことがありますもんね。 |
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まだらの大人であることを、 大人たちももっと 自覚できればいいと思います。 |
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(つづきます!) |
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2009-11-22-SUN |