糸井 | 岩田さん、 「にこにこり村」の状況をご存じなんですね。 |
岩田 | 乗組員のみなさんが 「怖い怖い」と恐れおののいている、とか。 |
糸井 | じゃあお連れするまえに まずは、「にこにこり村」の成り立ちから。 このゲームの場合、まず最初にゲームを作った人が 用意してくれたことを遊ぶわけです。 で、物足りなくなってくると、 自分なりのカスタマイズを始めるわけですね。 で、僕の話なんですが、 もともと僕は幼児プレイを好む 潜在意識を持っているみたいなんですよ。 |
一同 | (笑)。 |
糸井 | まずは、幼児性のあるアイテムだけを 集め始めたんです。 たくさんあるじゃないですか、いいものがいっぱい。 |
江口 | そうですね(笑)。 |
岩田 | 現実に買い揃えるには ちょっと抵抗のあるものばかりですけどね。 |
糸井 | 観葉植物を買うように そういう類のものを買うんですよ。 |
岩田 | うんうん。 |
糸井 | それはやっぱり自分のやむにやまれぬ、 叫びみたいなものですからね。 で、DS版のときもそうだったんですが、 まずは真っ先に「おしゃぶり」です。 |
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一同 | (笑)。 |
糸井 | これははずせないですよ。 で、自分のカラーを見せていくと みんな幼児性のあるアイテムを くれるようになっていく。 するとだんだんと幼児プレイが 「もうこれ以上はない」ってところまで 行き着いちゃうわけです。 そうなってくると、次の手段として、 「悪趣味」を取り入れたくなったんですよ。 |
岩田 | 「悪趣味」を(笑)。 |
糸井 | どうやったら気持ち悪い感じが出せるかな、 と思って研究を始めたんです。 研究の結果、ある材料だけを組み合わせるだけで 微妙にいい感じの悪趣味具合になったんですね。 それこそ、自分でもウットリするくらいの。 そうしたら、人が見に来るようになったんです。 そこで、最近の僕のテーマの「観光」という プロジェクトが確立したんですね。 僕んちにみんな来てくれるんですよ、怖いから。 |
岩田 | みなさん観光名所に訪れている気分なんですね。 |
糸井 | そう。 「どうぶつの森」の中に 観光っていう概念は多分ないと思うんです。 でも、「あそこんち変だから見に行こう」って 言われるものを作ると、みんな観に来てくれる。 しかも、自分の村にはない果物なんかを 持ってきてくれたりするから、 村はものすごく栄えるんですね。 それでいて僕がしたことは何かっていったら、 ただ気持ち悪くしただけなんですよ。 だから、何もなくても「観光」ができれば 食っていけることがわかったんです。 |
岩田 | なるほど。 |
(つづきます) |
武井さん(シェフ)が カッパの運転手が言うセリフが下品で あんまり好きじゃないから、 街に行くときはずっと目をそらして Aボタンを連打してたんだって。 |
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よっぽどですね(笑)。 | |
あれって、女性だと違うことを言うんですよね。 | |
そう。女性には女性向けの セクハラまがいのことを言いますよ。 「いつでも愛の逃避行につき合ってやるだよ」とか。 |
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男性には「街に行っていい女見つけろ」とか。 | |
読者の方からも「カッパが苦手」っていう メールも来てましたよね。 |
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私、ぜんぜん嫌いじゃないんだよね。 むしろカッパの話を聞いてあげたいくらい。 「あぁ、つらいんだね。 おばさんの店に飲みにいらっしゃい」って(笑)。 |
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なんで飲み屋なの(笑)。 でも、カッパって下世話なことを言ってますけど、 あの内容にカッパの弱さみたいなものが 垣間見られるんですよね。 |
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そうそう。 | |
寂しげなところもけっこう見えてくるんですよ。 | |
キャラクターの好き嫌いで言ったら、 うちの子(10歳)のプレイを見ていると、 子供は「正義」とか「善人」を好むみたい。 だから「ホンマさん」とか「つねきち」、 「ぺりみ」のような「ちょっと悪人」はすごく嫌い。 |
うちの子(8歳)も 「ホンマさん」がスゴく嫌いですね。 あの「チッ」って言われるのがダメみたい。 |
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やられると「えっ?」って思うんだろうね。 | |
だって、自分のまわりに「チッ」って言う人は いないもんね、きっと(笑)。 |
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うんうん、いないですね。 | |
でも、大人になったら しょっちゅう言われるから(笑)。 |
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しょっちゅう(笑)。 | |
それこそ「つねきち」あたりは もうまったく理解できないみたい。 |
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そう! 「偽物売るなんてもってのほか」って怒ってました。 あと、うちの子はカブを憎んでましたね。 |
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えぇ、なんで? | |
うちの子は、ベルを稼ぐ手立てが よくわからないみたいなんです。 だから村の中でもお金がかからない遊びばかりで。 |
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釣りは? | |
釣った魚は博物館行きなんです。 自分が要領を得ないベルの稼ぎかたしか できないもんだから、みんなのプレイを見ては 「みんなカブのことばかり!」って憤慨してました。 |
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自分があんまりできないことって、 そう思っちゃうんだよね。 僕も会社でプレイしていた身だから、 日曜日にしか買えないカブは 指をくわえて見てるしかなかったもの。 「みんなカブのことばかり!」って(笑)。 |
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カブリバさんって屈託のない感じだけど、 ちょっと影のある感じしません? |
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ちょっとしますよね。 | |
うちの子はその影を感じとったらしくて、 カブそのものよりも カブリバさんのほうが嫌いみたい。 「カブ買わないほうがいいよ」ってすごく言われた。 |
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危ないと。 | |
うん。 | |
でも、お母さんはどんどん カブを買っちゃうんですよね? |
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そう。カブ買って、 いかがわしい「つねきち」のところ行っちゃう。 |
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親がそんなだと、子供は不安だ(笑)。 | |
すごく不安がってたよ(笑)。 あと、「まめきち」と「つぶきち」が 作業服を着てないことにすごく怒ってた。 「自分は作業着でアルバイトしたのに あいつら最初からタキシード着てる!」って。 |
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一同 | (笑)。 |
(スガノ、山下、ちょう、トリイ編は終わりです。) |
2009-04-13-MON |