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『どうぶつの森』 遊んだ人と作った人。

第2回 「にこにこり村」の成り立ち

糸井 岩田さん、
「にこにこり村」の状況をご存じなんですね。
岩田 乗組員のみなさんが
「怖い怖い」と恐れおののいている、とか。
糸井 じゃあお連れするまえに
まずは、「にこにこり村」の成り立ちから。
このゲームの場合、まず最初にゲームを作った人が
用意してくれたことを遊ぶわけです。
で、物足りなくなってくると、
自分なりのカスタマイズを始めるわけですね。
で、僕の話なんですが、
もともと僕は幼児プレイを好む
潜在意識を持っているみたいなんですよ。
一同 (笑)。
糸井 まずは、幼児性のあるアイテムだけを
集め始めたんです。
たくさんあるじゃないですか、いいものがいっぱい。
江口 そうですね(笑)。
岩田 現実に買い揃えるには
ちょっと抵抗のあるものばかりですけどね。
糸井 観葉植物を買うように
そういう類のものを買うんですよ。
岩田 うんうん。
糸井 それはやっぱり自分のやむにやまれぬ、
叫びみたいなものですからね。
で、DS版のときもそうだったんですが、
まずは真っ先に「おしゃぶり」です。


12/11 03:43
しげちゃん、参上。

実は、ぼかぁ、もうとっくに「にこにこり村」に、
住んでいたのでした。
でも、写真を撮って見せるには、
ちょっとかっこがついてないので、
登場の時を待っていたのでした。
やっと、必需品の「おしゃぶり」と、
「チアリーダーのふく」を身に付けたので、
ものおじしないで参上つかまつりました。
村の時計を12時間ずらしてやってまーす。

一同 (笑)。
糸井 これははずせないですよ。
で、自分のカラーを見せていくと
みんな幼児性のあるアイテムを
くれるようになっていく。
するとだんだんと幼児プレイが
「もうこれ以上はない」ってところまで
行き着いちゃうわけです。
そうなってくると、次の手段として、
「悪趣味」を取り入れたくなったんですよ。
岩田 「悪趣味」を(笑)。
糸井 どうやったら気持ち悪い感じが出せるかな、
と思って研究を始めたんです。
研究の結果、ある材料だけを組み合わせるだけで
微妙にいい感じの悪趣味具合になったんですね。
それこそ、自分でもウットリするくらいの。
そうしたら、人が見に来るようになったんです。
そこで、最近の僕のテーマの「観光」という
プロジェクトが確立したんですね。
僕んちにみんな来てくれるんですよ、怖いから。
岩田 みなさん観光名所に訪れている気分なんですね。
糸井 そう。
「どうぶつの森」の中に
観光っていう概念は多分ないと思うんです。
でも、「あそこんち変だから見に行こう」って
言われるものを作ると、みんな観に来てくれる。
しかも、自分の村にはない果物なんかを
持ってきてくれたりするから、
村はものすごく栄えるんですね。
それでいて僕がしたことは何かっていったら、
ただ気持ち悪くしただけなんですよ。
だから、何もなくても「観光」ができれば
食っていけることがわかったんです。
岩田 なるほど。
(つづきます)

「僕らも「どうぶつの森」について話したい!」



今回、お話をする乗組員
スガノ、山下、ちょう、トリイ


武井さん(シェフ)が
カッパの運転手が言うセリフが下品で
あんまり好きじゃないから、
街に行くときはずっと目をそらして
Aボタンを連打してたんだって。
よっぽどですね(笑)。
あれって、女性だと違うことを言うんですよね。
そう。女性には女性向けの
セクハラまがいのことを言いますよ。
「いつでも愛の逃避行につき合ってやるだよ」とか。
男性には「街に行っていい女見つけろ」とか。
読者の方からも「カッパが苦手」っていう
メールも来てましたよね。
私、ぜんぜん嫌いじゃないんだよね。
むしろカッパの話を聞いてあげたいくらい。
「あぁ、つらいんだね。
 おばさんの店に飲みにいらっしゃい」って(笑)。
なんで飲み屋なの(笑)。
でも、カッパって下世話なことを言ってますけど、
あの内容にカッパの弱さみたいなものが
垣間見られるんですよね。
そうそう。
寂しげなところもけっこう見えてくるんですよ。
キャラクターの好き嫌いで言ったら、
うちの子(10歳)のプレイを見ていると、
子供は「正義」とか「善人」を好むみたい。
だから「ホンマさん」とか「つねきち」、
「ぺりみ」のような「ちょっと悪人」はすごく嫌い。




01/08 18:00
ホンマさんに敵意

「街にいる
 ホンマさんという人に
 話しかけちゃダメだよ、
 あの人は悪い人だから」
という息子の主張に、
「ああ、母はもうすでに
 話しかけて仲間になっちゃったよ」
という話をしたら、
息子はたいそう憤慨しておりました。

そうしたら、
「証拠を撮っておいた!」
というので、写真を見てみると、
よくわからない。

「最後! 最後の文字を見て!
 チッて言ってるよ!」

‥‥ホントだ。
すっごい小さく舌打ちしてる!
しまった、仲間になっちゃったよ?

うちの子(8歳)も
「ホンマさん」がスゴく嫌いですね。
あの「チッ」って言われるのがダメみたい。
やられると「えっ?」って思うんだろうね。
だって、自分のまわりに「チッ」って言う人は
いないもんね、きっと(笑)。
うんうん、いないですね。
でも、大人になったら
しょっちゅう言われるから(笑)。
しょっちゅう(笑)。
それこそ「つねきち」あたりは
もうまったく理解できないみたい。
そう! 
「偽物売るなんてもってのほか」って怒ってました。
あと、うちの子はカブを憎んでましたね。
えぇ、なんで?
うちの子は、ベルを稼ぐ手立てが
よくわからないみたいなんです。
だから村の中でもお金がかからない遊びばかりで。
釣りは?
釣った魚は博物館行きなんです。
自分が要領を得ないベルの稼ぎかたしか
できないもんだから、みんなのプレイを見ては
「みんなカブのことばかり!」って憤慨してました。
自分があんまりできないことって、
そう思っちゃうんだよね。
僕も会社でプレイしていた身だから、
日曜日にしか買えないカブは
指をくわえて見てるしかなかったもの。
「みんなカブのことばかり!」って(笑)。
カブリバさんって屈託のない感じだけど、
ちょっと影のある感じしません?
ちょっとしますよね。
うちの子はその影を感じとったらしくて、
カブそのものよりも
カブリバさんのほうが嫌いみたい。
「カブ買わないほうがいいよ」ってすごく言われた。
危ないと。
うん。
でも、お母さんはどんどん
カブを買っちゃうんですよね?
そう。カブ買って、
いかがわしい「つねきち」のところ行っちゃう。
親がそんなだと、子供は不安だ(笑)。
すごく不安がってたよ(笑)。
あと、「まめきち」と「つぶきち」が
作業服を着てないことにすごく怒ってた。
「自分は作業着でアルバイトしたのに
 あいつら最初からタキシード着てる!」って。
一同 (笑)。
(スガノ、山下、ちょう、トリイ編は終わりです。)
2009-04-13-MON
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