ホットドッグの師匠がお店の入り口にやってきたとき。
まだお店の中は、まだせわしなく
絶えず4、5人がカウンターの前に並んで待っている。
朝のピークタイムの余韻が残った状態。
時計をみるとあと10分ほどで10時というタイミング。
師匠が入り口の前で足を止めて中を覗き込みます。
いつもだったら、もう朝のラッシュは終わって
店も落ちつきはじめる時間帯。
今日は特別。
なるほど、月に一度のあの日なのか‥‥、
と師匠は理解したのでしょう。
お店をあとにしようとします。
「Morning Sir! Later, please.」
ボクは思わず声を出します。
それにオヤジさんも気がついたんでしょう。
「30 miutes!」
30分位したらすきますよ‥‥、
と声かけ、それに彼は手を振り応えます。
近くにある会社の会議が
そろそろ始まる時間なんでしょう。
師匠が店をあとにしてから10分ほどで
たちまち店は静かになってく。
いつものリズムを取り戻し、
お客様はほどよき間隔で店にやってきてくれる。
「助かったよ‥‥、ご苦労さん」
と、珍しくニッコリ顔でご主人に言われるものの、
ボクの頭は間もなく戻ってくるであろう、
師匠のコトで一杯。
ソワソワしてみえたのでしょう。
「まるで恋人を待ってるみたいだな‥‥」
ってからかわれても、
まるで気にもならないくらい
そのとき、ボクは真剣でした。
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