料亭旅館を経営しながら、 そうした料理の典型は、刺身でしょうね。 日本の料理は、蓋を従えやってくることが結構多い。
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上等な店ではお店の人がお椀の蓋をとってくれる。 蓋がそっと持ち上がった途端に、
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そして蓋の内側拝見。 料理の香りを台無しにせぬように |
それにしても日本の料理の香り。 蓋で閉じ込め、それをエレガントに、 しかも慎重に開いて 鼻先にとどけなければわからぬほどに仄かな香り。 艶福家で色っぽいことが大好きだった ボクのおじぃちゃんは 「風呂から上がったばかりのすっぴんのお嬢さん」 のようだと言ってた。 浴衣を脱いではじめて香る 石鹸のような料理なんじゃよ‥‥、と。 白粉(おしろい)臭い料理は 粋じゃないんだともいいながら、 けれど西洋料理は香水をまとった 大人のいい女の匂いがするんだ。 それもときにはいいもんなんじゃ‥‥、と、 幸せそうな顔をしながらいいうのをずっと聞きながら、 育ったボクが出会った西洋料理の世界。 さて、来週にいたいましょう。 |
2012-07-26-THU |