アメリカという国。
当然のコトだけれど、
さまざまなルールや仕組みが
昔から住んでいる
エスタブリッシュメントと言われる人たちのために
ある国なんだなぁ‥‥、と。
自由で公平、平等なように見えて
肝心のところにまでやってくると、
扉がゆっくり閉じていく。
ただ、自分にしかできない何か強みを持っていたら話は別で、だからアートだったり料理の世界で有名になってやろうと世界中から。
ボクもそのひとりになればいい、と思ってた。
アメリカンドリームを手にしようと考えていたのです。
けれど‥‥。
実際にニューヨークという街に住んで、
アメリカンドリームというコトと、
「ボクの夢が叶う」と言うコトが同じじゃない。
ちょっと違うなぁ‥‥、と思うようになったのです。
たまにマクドナルドのハンバーガーが
食べたくってしょうがなくなり、
一緒に行かない? ってエマを誘ったコトがありました。
そのとき、彼女は真顔でひとこと。
「わたしはネ、マクドナルドを食べないですむ人生を
手に入れようと思って一生懸命がんばってきたの、
だから二度とマクドナルドに
誘わないでくださるかしら‥‥」と。
マクドナルドを食べないコトを誓った人生。
だからワタシは成功したの‥‥、と。
そういうエマは
特にエキセントリックなアメリカ人だったんだろう
と思いはする。
けれど、年収が上がるにしたがって、
ライフスタイルを一変させる、
それがアメリカの人たちの平均的な価値観で、
つまり今までの自分を捨てるコトで
上へ上へと向かっていく。
一旦、上がったら滅多がコトが無い限り、
階段を下に降りることはない。
選ばれるレストランも当然、
生活レベルにあわせて決まる。
だから例えば、ルイヴィトンのバッグを持って
マクドナルドに行くというようなコトはまず考えられない。
日本では富豪と呼ばれる人だって、
たまにマクドナルドを食べたり、
立ち食いそばって呼ばれるファストフードが
好きだったりするんだよ。
料理に上下は無いんだから。
その日の気分で、食べるモノ、
食べる場所を使い分けるコトができなきゃ窮屈じゃない?
そういうボクに彼女はいいます。
だって、ファストフードのお店で働いている人たちなんて、
私の生活圏にはいない人たち。
そんな人たちと
どうやってコミュニケーションを取ればいいの?
英語だっておぼつかない人たちが働いていたりすると、
あぁ、ココはわたしが来るべき場所じゃなかったんだ‥‥、
って思うのよね。
料理を食べて、お腹いっぱいになるコトだけが
レストランにいく目的じゃない。
そこで働いている人たちと、
心地良い一体感を味わって
たのしい時間を過ごすコトがもっと大切な目的なんだから、
行く店を選んで当然と思うのよ。
そうじゃなくって? と‥‥。
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