開業にあたって注意することはあるのでしょうか?
その質問をラーメン店を開業しようとする人から受けたら
答えはとても単純。
「自分自身を信じて、他人の意見に左右されない
一貫性を持ちなさい!」と。
お客様の意見を聞きすぎて、
味や商品が変わってしまうコトが一番いけないコトなので、
だからそう答えることにしています。
一方、カフェを開業しようとする人から
同じ質問をされたらまず、こう答えます。
「快適な空間作りをしてくれる、
デザイナーさんとお知り合いになりなさい!」と。
カフェと言う場所。
時間を無駄遣いするという、
今という時代を忙しく生きている人にとって
この上もない贅沢を
ココロおきなくたのしむための場所なのですね。
だからそこに必要なのは、すわり心地のよい椅子と、
何時間いても快適と感じる空間。
飲食店にはお客様をもてなす3つの要素があって、
料理にサービス、
それから店の雰囲気といわれるけれど、
料理よりもサービスよりも、
カフェの成功を左右するのはお店の雰囲気。
特に、居心地の良さを大切にしなくちゃいけない。
そのため、覚悟しなくちゃいけないコトがあるんです。
すわり心地の良い椅子で、
ユッタリたのしんでらっしゃるお客様を、
そろそろお帰りいただけませんか?
と、口が裂けても言っちゃいけない。
何時間でもいられるお店を用意して、
なのに早く帰ってくれないかなぁ‥‥、
とそわそわするのは自己矛盾。
カフェがお客様にとって居心地のいい場所として、
悠然とふるまっていられるために、
気をつけなくてはいけないコトが、だから立地なんですよ。
高い家賃の場所はダメ。
次々、お客様がやってきて
「なんだ満席か?」と言われない場所。
ましてや、お店の前に行列が出来て、
お店の中でくつろいでいるお客様が
居心地悪く感じてしまうとせっかくの雰囲気も台無し。
良いカフェというのは、
いつも最後のひとテーブルが
なぜだか空いているモノなんです。
その最後のひと席が待ってくれていると思うから、
わざわざちょっと寄り道できる。
ボクが座ると満席になる。
しばらくすると、誰かが席を立つ。
ひと席あいたタイミングで、次のお客様がやってくる。
それがすばらしいカフェのリズムというモノ。
ちょっと不便で、ちょっと探すとみつかる場所。
そういう場所にワザワザお客様を呼ぶ自信があれば、
カフェをおやりになればいい。
と、そういうアドバイスをするコトにしているのです。
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