アラカルトだけのメニューで
料理が全部で40種類くらいはありましたか。
コース料理の一部をなしている
典型的なフランスのもてなし料理から、
田舎風のパテであったり、
ステックフリットのようなビストロ料理。
ビーフシチューや野菜のグラタン、
フォアグラを贅沢に使ったパイとか、
いろんな料理が揃っていて、これがなんともオモシロイ。
食べたいものがあれもこれもと目に入り、
どれも魅力的でなかなか注文が決まらない。
そういうときには
コースメニューにすればいいのだろうけど、
それももったいなく感じるほどに、
アラカルトのメニューがたのしく、ウレシイ悲鳴。
お店の人がやってきて、
何かお手伝いをいたしましょうか? と。
はじめてのお伺いするときには、
コース料理をいただいてみるのが
おそらく一番いいのだろうと思うのですけど、
それが悔しいほどにこちらのメニューが
ステキで困ってるんです‥‥、と。
失礼ですが、どちらからお越しになりました?
と聞かれて、ユックリ散歩をして
20分たらずで到着しました。
そういうボクらに、
「でしたら是非にアラカルトからどうぞ」。
実はコースのメニューは
最近はじめたのです。
インターネットのサイトでよい評判をちょうだいして、
それでワザワザ遠くからいらっしゃるお客様が増えてきた。
もともとご近所のお客様に
贔屓をしていただいていたワタクシたち。
駐車場もありませんし、わかりにくい場所でもあって、
電話で場所をご説明するのも一苦労。
散歩のついでにふらりと来ていただける方のために、
気軽な料理をずって作っていたのですけど、
そういう料理ばかりでは、
遠くからきていただく方に失礼になると。
そう思って、いろいろ工夫をしているのですけど、
なかなか思いが伝わらないこともありまして、
ときにお叱りをちょうだいします。
ワザワザ来たのに、期待はずれでがっかりしました‥‥、
って、そんなコトをいわれると、
あぁ、どうしようとシェフと二人で
一晩、眠れなかったりするんですよ‥‥、と。
なるほど、たしかに。
カシミアのカーディガンが似合うお店は、
近所にすんでいる人がふらりとやってくる、
気軽な食事を上等に、
たのしくふるまうコトができるレストラン。
それを「遠くからワザワザやってきたのに期待はずれ」
と評価するのはお門違いにちがいない。
飲食店と受験生って似た存在かもしれません。
期待されないとモティベーションが上がらない。
まわりの人から適度な期待をされることで、
はじめてやる気がでてきて
レベル、実力がどんどんあがって良い成績を作ってく。
飲食店も、ほどよくお客様から期待してもらえるように
お店のしつらえや立地、サービスを決めていく。
お客様に適度に期待をしてもらい、
その期待に確実に応え続けるコトで
お店は評判を獲得していく。
その評判が徐々に高まり、
名声になるとお客様の期待は否応なしに膨らんでいく。
膨らむ期待に応え続けるコトができれば、
お店の繁盛は永続的に保証される。
‥‥、のだけれど。
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