テーブルの上にお茶やメニューが運ばれるとき。
その目はサービスをする人の手元や、
それらがおかれる先にあるボクらの手元を次々に見る。
「おしぼりどうぞ」と持ってきて、
ひとりひとりに手渡すとき、
ひとりひとりが確実におしぼりを手にするかどうかを
目で追っていく。
それがお店に人にとって、
「この人はテーブルを囲む他の人に気配りする役割の人」
なんだろうと推察させるヒントになっているのでしょう。
もてなされる人にとって大切なのは、
「自分の満足こそが
そこにいるすべての人たちの満足の素」
であるというコトを認識すること。
そしてそのように振る舞うコトが、
もてなされる人のすべきこと。
コツがあります。
「目のおきどころ」を間違わないコト。
接待という場所において、
目を置くべき場所は大きくわけて3箇所あります。
まず「相手」。
ゲストであればもてなしてくれるホスト側。
もてなす側にとってはゲスト。
次に「料理」。
テーブルの上にまだ料理がない場合には、
部屋の中のしつらえや
テーブルの上のナイフ・フォークや備品の数々。
形をもって食事する人たちをもてなしてくれるモノ。
そして「サービス」。
サービスをしてくれる人たちの手際や作業。
もてなす側ともてなされる側で、
それら目に置くところの優先順位が異なるのです。
もてなす側の優先順位は「相手・サービス・料理」の順番。
接待をほったらかして、料理のことばかりに
舌鼓をうつホストって、
仕事をまるで果たさぬ人ってコトになる。
一方、もてなされる側にとっての優先順位は
「料理・相手・サービス」の順。
接待においてサービスとは、
「お店の人がするモノ」ではなく、
招待した「ホスト」がすべきモノであって、
「ホストになりかわってお店の人がする」
サービスこそがよきサービス。
だからもてなされる側がお店の人に
直接もてなしてもらおうと、
あれこれお願いをしすぎることは、
せっかく招待してくれたホストの顔を
潰してしまうことにもなりかねないコトなのです。
だからまずは料理を見る。
見て感心し、食べて味わい、感心し、
ホストの顔を見ながら「おいしい」と褒めることこそ、
ゲストがすべきコトなのですね。
もてなされるコトが上手な人は社交上手な人でもあると、
ボクはかねがね思うのです。
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