ところで「接待に対する感謝の気持ちは仕事で返す」
のがたてまえではあるけれど、
とはいえ、接待返しをしたくなるようなコトもある。
あまりに贅沢な時間を過ごさせてもらって
ちょっと恐縮してしまったようなとき。
プロジェクトが長きにわたって、
新たな気持ちで仕切りなおしを
したくなってしまったようなとき。
あるいは単純に、あまりに一緒にする仕事がたのしくて、
一緒に食事をしたくなったようなとき。
一回目の接待から、もてなしてくれた人の
食べ物に対する趣味や、楽しみ方、
好むレストランのタイプがわかっているから、
お店選びの手がかりにことかくことはないでしょう。
ただ、注意しなくてはいけないことが一つあります。
こんな例が果たしていいのかどうかわかりませんが、
ボクがまだ小学生の頃の話をしましょう。
ボクは地方都市の商店街に住む子でした。
その商店街で商売をしている子たちが沢山通う小学校。
普通の公立高校ではあったけれど、
裕福な子供が多く集まっているというコトもあり、
上昇志向が高くって、鼻っ柱の強い、
どこか特別な空気が漂う子たちがいっぱいいました。
そんな中のひとりが当然、
ボクでであったわけですけれど‥‥(笑)。
お誕生会が流行ったのです。
ボクが10歳になった記念に同じ商店街の友人。
そのほとんどが、商売を通して
親同士のつきあいのある友人でしたけれど、
10人ほどを招いてひらいたパーティーが、
その流行のキッカケでした。
アメリカかぶれでしかも飲食店を経営していたボクの両親。
家族揃って派手好きなモノで、
子供のお誕生会としては贅沢なモノでありました。
当然、友人たちが家に帰ってその話をする。
次に誕生日をむかえる友人が誕生会を開催し、
お呼ばれすると
ボクの誕生会に輪をかけ贅沢なモノだった。
それから数回。ボクが1月の後半生まれで、
その年の梅雨が始まる頃には
その商店街の子どもたちが
とんでもない誕生会をしているってコトが
街の噂になるほど広がっていったのです。
それで結局、お誕生会禁止令が
学校から発令されることになったのでありました。
接待返しにおいて注意しなくてはならないコト。
それは接待してもらったお店よりも
なるべくちょっとだけ気軽なお店を選ぶこと。
接待が接待を呼び、しかもその度、贅沢なお店を持ち出し、
最後はどちらもが負担に感じるような
喜劇めいた悲劇に終わらぬようにする。
人と人が付き合う極意でもあるんだろうなと思います。
さて来週から新シリーズ。
原点回帰をたのしもうと思っていたりいたします。
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