店が暇なとき、チェーン店の人たちは
「表に出てチラシでも配ってこい」と教えます。
店でぼんやりしていても、
お客様がやってくる保証はどこにもないから、
まず表に出て営業してこい、というのです。
けれど、もしその結果、チラシ配りが功をそうして
お客様が続々とやってきたとしたら大変。
お店の中は対応準備ができてないから大忙しで、
現場が混乱を極めるということが起こってしまう。
はたしてボクの会社の近くのステーキチェーン。
開店間もないということもあり、
一度は行ってみようかと思っていた人たちが
割引券をきっかけに
大挙してお店に押しかけることになってしまった。
忙しいコトになれていない人たち。
しかもほとんどが新人で、満席のお客様に対応できない。
料理が出るのに30分ほども
かかってしまうのが当たり前で、
昼の休憩時間で食事が終わらぬ人が続出します。
そのとき、店長がする仕事といえば、
お客様に頭を下げて謝ること。
飲食店に働くということは、
謝るためではなくて感謝されるためのはずなのに。
飲食店で働く人が下げる頭は、
ごめんなさいというためではなく、ありがとうございます、
またお越しくださいというためであるはずなのに。
こんな店には二度と来るかと、腹を立てて帰るお客様に、
そんなことをいわないで、
もうワンチャンスくださいよ‥‥、
と泣いてすがってまた割引券を手渡すのです。
うちの会社にはその店のチラシと割引券の山ができ、
それは決して減ることはなかった。
つまり、飲食店に「もうワンチャンス」はまずないんだ、
というコトなのです。
お客様がいらっしゃらない暇なとき。
それは、「お店をキレイにするチャンス」だと思って
掃除をしよう。
忙しい時には掃除できないすみずみを、
ピカピカに磨き上げて、
いつでもお客様を気持ち良くお迎えできる準備をしよう。
それがステキなお店のすることなんだと思うのです。
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