もうひとつのお客様との付き合い方が、
一人のお客様と何十年も付き合い続ける
努力をするするというコト。
飲食店は「おなじみさんビジネス」なんだと
言われることがある。
新しいお客様をひとり獲得することにかかるコストと、
一人のお客様にもう一度来ていただくことにかかる
コストを考えるなら、圧倒的に後者の方が安くすむ。
だからチェーン店も、
一人のお客様と長い付き合いができればいいなぁ‥‥、
と思ってお店の仕組みを作る。
例えばマクドナルドというチェーン。
日本に彼らがやってきたとき。
その広告のほとんどは、子供に向けたモノでした。
「味なことやる、マクドナルド♪」
という軽快なメロディーにあわせて微笑むのは
ピエロのドナルド・マクドナルド。
彼と一緒にニコニコしているのは、
おいしそうにハンバーガーを頬張る子どもたち。
創業者はその理由を得意げにこう説明したものでした。
飲食店で成功をするためには、
どれだけ長く贔屓にしてもらうことができるかを、
考えるべき。
その究極の成功は、生まれたときから死ぬまで一生、
使ってもらえるお店になること。
子供の純真無垢な舌にアピールできれば、
そんな夢も決して夢では終わらない。
だから子供にアピールするんです。
25年先を見てください。
マクドルドを食べて育った子供が成人して、
子供を作って彼らと一緒にお店に戻る。
50年先には、マクドルドで育った人が中年になり、
子供の頃をなつかしがってマクドナルドにやってくる。
そんなブランドにするんです‥‥、と。
その考え方は飲食店の成功の王道でもあって、 みんなさすがスゴいなぁ‥‥、と感心したもの。
そして今年はマクドナルドが日本にやってきて、43年。
日本でも有数の規模の会社になりはしたけど、
果たして子供の頃をなつかしがって行こうと思う
お店であるかどうかは、はなはだ疑問なところではある。
有名なお店です。
日本でおそらく知らない人はないとも言える。
しかも目立つ場所にお店を作るから、
新しいお客様を今更努力して
獲得しようなんて思わなくても、
お店があければ人は次々やってくる。
問題は、同じお客様に何度も何度も、
足を運んでもらい続ける努力をするというコトでしょう。
それを知っている彼らは、
おそらく日本でももっともすぐれた
メール配信のシステムをもって、
おどろくほどに大量のクーポン・チケットを送りつづける。
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