「基本的にサービスというのは
「お店の人が手ぶらの状態で行うモノ」
であるとボクは思っています。
料理を運ぶ。
食べ終わったお皿を下げる。
こういうコトはサービスじゃなく「作業」であって、
それがどんなに丁寧に、
それがどんなに正確に、
あるいはどんなに頻繁に行われても、
それだけではいいサービスを受けたことには
ならないのです。
レストランの現場では、
熟練していないサービススタッフのコトを
「皿運びさん」と呼ぶことがある。
まさにお皿を運ぶ人。
それ以上のサービスを使う側も期待しない
「頭数」としての労働力。
ホテルや大きな宴会場では、そういう人たちのことを
「配膳さん」と呼び、その配膳さんたちを派遣する
配膳会という組織や会社があったりします。
結婚披露宴なんかで、キビキビと流れるようにお皿を運び、
そつなくすべての作業をこなす。
けれど笑顔がほとんどなくて、何か質問しても
「聞いてまいります」と決してその質問に答えたり、
自分の意見を言ったりしない。
そういう人たちが配膳さん。
大きな宴会が催されるのは不定期で、
だから必要なときだけ作業のプロに来てもらう。
高級なホテルでも配膳さんの役目は重要。
彼らが作業をしてくれるから、
他のスタッフはサービスをお客様に提供するという
本来の仕事に集中できることになる。
そう考えると、サービススタッフが
お皿を手に持っているとき、
サービスを要求してはならない
というコトになりましょうか。
忙しく出来立ての料理を運ぶ人に、
「すいません」と声をかけること。
すいませんと丁寧な言葉づかいではありますけれど、
それはサービスできない人に対してサービスを要求する、
暴力ににも似た行為。
サービスをしてほしい時には、
手にお皿を持っていない人を
探すことからはじめましょうネ。
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