スゴく行ってみたかったお店でした。
はじめてのお店だったかというとそうじゃない。
一度だけ。
ボクを東京のおいしいお店に連れていき、
レストランをたのしむ大人の流儀を教えてくれた人であり、
今の仕事の大先輩に、連れて行ってもらったお店。
イタリア料理の老舗中の老舗と呼ばれる店でした。
会員制のクラブのような、
どこか秘密めいた雰囲気があって。
決して予約が絶望的にとれないというような
人気のお店ではなくて、けれどはじめての人を
やんわりと拒絶するような雰囲気がある。
大きすぎないダイニングホール。
当たり前のテーブルが規則正しく並べられ、
その間隔は隣のテーブルの会話が気にならない程度に近く、
サービスをするのに不都合がない程度に離れてる。
それぞれのテーブルのにぎわいや高揚感を借りて
自分のテーブルまでもがにぎやかになる。
そんなステキなレストラン。
そしてボクらのテーブルは、
厨房からの出入口が伺い見れて、
プライバシーを感じる柱の影という落ち着いた席。
あぁ、コレが大人のたのしむ場所‥‥、
ってウットリしました。
それから優に2時間ちょっと。
料理は、おいしゅうございました。
おいしいというか、はじめて食べるものが多くて、
それがおいしいかどうかを評する資格が
ボクにはなかったけれど、それらはじめて食べた料理が、
これから先もずっとこの味でいてくれたらば、
ボクは絶対好きになるに違いないと、思えるおいしさ。
ただその料理の値段が一体いくらか。
ボクは知らずにその日は終えた。
いくつかの料理はメニューにないもの。
しかもワインのリストを見ずに終えたので、
値段の見当のつけようがなく、
一体、いくらぐらいだったんですか? と聞くと、先輩。
若いうちは、値段のコトを考えずただひたすら、
おいしさだけを舌に覚えこませるコトが
勉強なんだよ‥‥、と。
そういうもので、それ以上、値段のことは聞けずじまい。
雑誌なんかにたまにでる
その店の記事の内容から推察するに、
背伸びをすれば届かぬ値段ではないはずだと、
それで一念発起しました。
|