まずは予約の仕方から。
ボクを隣に座らせて、電話をかけます。
時間はランチタイムが終わりをむかえる2時ちょっと前。
この時間なら、もうお店の中は忙しくない。
お店の人たちもまだ休憩に入る時間でもないから、
受話器を取り上げるのが面倒くさくはない時間。
誰かにお願いごとをするときに、
タイミングを選ぶコトはとても大切。
良いタイミングでかかった電話は、
お店の人たちをゴキゲンなパートナーにしてくれるから。
そういいながら電話をかけ、
受話器の向こうの人にテキパキ、事情を説明。
実は、先日、そちらに伺って
さみしい時間を過ごした青年なんですけれど。
彼がどうしてももう一度、伺いたいというのです。
えぇ、あの日のことはなかったことに‥‥。
再来週の木曜日は忙しい日でらっしゃいますか?
ほどよく満席?
ならばその日で。
ところでその日は何時が一番、混んでそうです?
まとまった数のお客様が
6時から小さなパーティーをされる予定の予約がひとつ。
残り、ほとんどのお客様が
7時から7時半にいらっしゃる‥‥。
そう、受話器の向こうの言葉をそのまま口にだし、
ボクに聞かせて、こう答えます。
なら6時40分くらいだったら、ご迷惑にはなりませんか。
ええ、その時間ならば余裕をもって
お出迎えさせていただくことができましょう。
そのやりとりで、いろんなコトを学びます。
予約とはただ単に
テーブルを確保するためのものではないコト。
それはスムーズなお出迎えと、
玄関先でのスマートなたちいふるまいを
約束してくれるためのモノ。
だって、グループ客がお店にやってきてしばらくは、
しっかりとしたサービスを提供するだけの余裕が
お店の中にはなくなる。
予約するとき。
「お店のいそがしくない時間」を教えてもらうコトは、
満面の笑顔でウェルカムされるためには大切なコト。
ありきたりな予約ではなく、
記憶に残る予約にしなくてはもったいないコト。
だから、6時半ではなくて、6時40分という
普通の人が待ち合わせの約束ではつかわぬ時間を指定する。
6時37分でも別にいいんだけれど、
それだとちょっと変な人って思われちゃうから
40分っていうのが程よいところじゃないかな‥‥、
って、電話を切って先輩はいう。
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