かと思うと、「あれを食べなくてすむ」ようがんばる。
そういうモティベーションもあるのです。
世界的なIT企業の創業者。
若い頃には仕事にあけくれ、
マクドナルドのチーズバーガーと
チョコレートシェイクがありさえすればそれでよかった。
自分の成功は、マクドナルドのジャンクフードだったんだ。
そう、雑誌のインタビューに答える姿が、
一時期、有名になったりした。
そんな彼が日本にやってきたときに、
日本の法人の役員が気をきかして、
日本のマクドナルドのチーズバーガーを買って、
どうぞとランチに出した。
なつかしい料理。
アメリカのそれと、日本のモノの違いがあれば、
またそれもいい土産話にしてもらえるだろうという、
もてなす気持ちでのチーズバーガー。
その経営者は一瞥するや、厳しい顔でこう言った。
もしかして君は未だに
こんなモノを食べて満足しているわけじゃないだろうな。
たしかに僕が若い頃。
時間もお金も自由にならず、
このチーズバーガーにお世話になった。
けれどそのとき、こう思いながらがんばったんだ。
「このチーズバーガーを食べなくてすむ人生を
僕は手に入れるんだ」って。
だからこれを食べさせれば喜ぶんだと、
思われることが悔しくってしょうがない。
そういえば業界誌の記者が、僕が会社を上場させたとき、
こんなコトを言ったコトもある。
「もうこれで、チーズバーガーを
好きなだけ食べるコトができますね」って。
僕はこう答えた。
「二度とマクドナルドを食べなくてすむ人生を得たんだ、
と今は思っています」とネ。
マクドナルドは金持ちの食べ物じゃないという意味で
言ったわけじゃない。
金が自由になる僕らのコトを待っている人が
レストランの世界にはたくさんいる。
なのにいつまでも、安いモノを食べて喜んでいるのは
エゴイスティックなただの金持ち。
だからもう、ファストフードのチーズバーガーは
食べないことにしたんだよ。
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